研究課題/領域番号 |
19K00789
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤濤 文子 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (40199352)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | スコポス理論 / 機能主義的翻訳研究 |
研究開始時の研究の概要 |
1970年代に翻訳研究が成立して以降、様々な研究アプローチが提案されたが、中でも1978年にドイツで提唱されたスコポス理論については日本での研究がほとんどなされていない。言語的対応に焦点を当てた等価理論と異なり、スコポス理論は非言語を含むマルチモーダルなテクストに強く、また異文化コミュニケーションとして翻訳を捉えている点で、近年のグローバル化が進展する中の翻訳・通訳現象を学問的に捉えるのに有益である。そこで本研究では、このスコポス理論の基礎から応用に至るまでを歴史的に整理したうえで、ドイツ語圏での現在の定着実態の調査、および今後の日本での応用と展開の可能性について研究しようとするものである。
|
研究実績の概要 |
1970年代に翻訳研究が成立して以降、様々な研究アプローチが提案されてきたが、本研究は1978年にドイツで提唱されたスコポス理論に焦点をあてて、その歴史的意義と現状及び将来に向けての展開の有用性について検討することを目指したものである。スコポス理論の基礎から応用に至るまでを視野に入れて、①歴史的意義の確認と整理、②現在のドイツ語圏における定着現状の調査、③将来に向けての日本における有用性の可能性、という3つの観点で明らかにしようと計画を立てている。 このうち、①については、文献の収集・精査と考察検討をほぼ終えることができた。その成果は、中国の北京外国語大学における「翻訳行為における束縛と自由についてースコポス理論の観点からー」と題した招待講演で概要を公開した。その際、北京外国語大学の担当教員から、拙著の中国語翻訳をしたいとの申し出を受けるなど、国際的共同研究への足掛かりとなった。②については、公務の多忙さゆえにドイツ語圏に出張することが叶わず、実際に図書館を訪問して調べることはできなかったが、インターネットで閲覧可能なものについて検索して収集を進めた。そのうち、ウィーン大学の修士論文のいくつかを調べることができ、とりわけ視聴覚翻訳をテーマにした論文について精読して調査し、スコポス理論の枠組みを使った論文指導がなされていることが確認できた。③については、日本の大学における翻訳教育の担当教員に新たにインタビュー調査を実施でき、スコポス理論がどの程度教育に生かされているかを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
部局長(国際文化学研究科研究科長及び国際人間科学部学部長)を務めることとなったため、公務の多忙さゆえに本研究に時間を取ることが限定的となった。とりわけ、会議日程との関係で、海外出張ができなかったために、ドイツ語圏での調査ができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
コポス理論の①歴史的意義の確認と整理、②現在のドイツ語圏における定着現状の調査、③将来に向けての日本における有用性の可能性、という3つの観点で研究をさらに進めていくが、そのうち①と③については、招待講演を行った内容をさらに発展させ、インタビュー調査の成果を盛り込んで幾つかの論文としてまとめる予定である。さらに、スコポス理論の主たる分野のひとつである異文化要素とマルチメディア翻訳へのスコポス理論の有用性について研究を進める。②については、実施年度を延長してドイツ語圏での現地調査を実施する。
|