研究課題/領域番号 |
19K00802
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
土方 裕子 筑波大学, 人文社会系, 助教 (10548390)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | リーディング / 意味的逸脱 / 自己ペース読み / イディオム / 処理時間測定 / 読解 / 定型表現 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,日本人英語学習者の英文読解において,意味処理の深さがどのように変化するかを調べる。文章中に場違いな語を含め,読み手がその不適切な語を見つけることができるか否かを調べる「意味的逸脱検出課題」を実施する。その課題文には,複数語がまとまって一つの意味を成す「定型表現(イディオム)」を含める。最初の実験では,このイディオムが慣用句として処理されるのが適切な場合と,一語一語の意味をそのまま文字通りに解釈すべき場合では,どちらが文章中の不適切な語(逸脱語)を見つけやすいか比較する。後続の実験では,イディオムの解釈と文脈,日本語のイディオム特性のいずれが最も強く影響するかを調べる。
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研究成果の概要 |
本研究は,日本人英語学習者の英文読解における意味処理の深さを検証したものである。一連の調査において,文章を読み,意味的におかしなところがあるか否かを回答する「意味的逸脱検出課題」を使用した。意味的逸脱の検出には,テスト冊子(ペーパーテスト)及びパソコン上での処理時間測定という異なる手法を組み合わせ,逸脱の検出率・自身の判断に対する自信度,処理時間という異なる指標を通して多角的に検討された。 本研究全体の結果として,第一言語でも第二言語でも,意味的逸脱の検出率は逸脱語と文脈との合致度に影響されること,および読み返しが可能か否かという調査手法の違いによっても検出率が異なることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
母語の読解と第二言語の読解には,共通するプロセスと異なるプロセスがある。本研究の意義は,日本人英語学習者の日本語と英語における文章読解を比較し,意味処理の深さを検証したことにある。一連の調査から,文脈の影響で意味処理の深さが異なることが示された。また,読み手が自身の処理についてどの程度正確に認識できていたかも検証した。この結果は,第二言語読解の指導およびテスト作成へ応用が可能である。読解指導においては,学習者が文章中のどの語で処理が浅くなる傾向があるのかを踏まえた上での指導が可能になる。テスト問題を作成する場合は,語と文脈との合致度を考慮することで,項目難易度を調整することができる。
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