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ミュージアムと連携した英語学習プログラム開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K00805
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02100:外国語教育関連
研究機関明星大学

研究代表者

清田 洋一  明星大学, 教育学部, 教授 (60513843)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード内容統合型の外国語学習 / ミュージアム・ラーニング / プロジェクト型学習 / 創造的な思考力 / 視覚と言語の統合的学び / 生涯学習 / 視覚的な学び / 言語的な学び / 異文化理解 / 内容統合型英語学習 / 教科横断型学習 / CLIL / 教科横断的学習 / 自立的学習者 / 英語学習プログラム / ミュージアム
研究開始時の研究の概要

新指導要領の「主体的で・対話な深い学び」の実現には、英語という言語を使って「何をどのように学ぶか」という本来の外国語学習の充実が必要となる。本研究の全体的な構想は、ミュージアム(博物館、美術館、資料館など)の持つ教科横断的な情報発信と体験的な学びの機能と役割に注目して、中等学校レベル(小学校の5,6年生の教科学習も含む)の学校における英語学習との連携的な学びのプログラム開発を目指している。具体的には、自然科学系博物館、歴史文化系博物館、美術館、さらに特定の地域や歴史的重要性のある資料館に分けて、ミュージアムを活用した英語学習プロジェクトの開発に取り組む。

研究実績の概要

前年度までの研究成果として、ミュージアムの展示物の特徴である視覚的な教育的なリソースの活用という「視覚情報の学び」と、そのリソースの背景や本質について言語的に理解し、コミュニケーション活動を行う「言語の学び」の統合的な学びの効果が確認できた。2023年度は、この統合的な学びをテーマとしてさらに統合的な英語教育に関連する発展的な研究を行なった。具体的には、英語学習と異文化理解教育の統合的な教材として、英語絵本を開発し、6つの大学の教員養成課程で活用し、その効果を検証した。さらに小学校での実際の教育活動を検証するために、その絵本をイタリアと日本の小学校間で国際な協同学習に活用した。また、高校段階での教育効果を検証するための研究も行なった。これは、広島の平和記念資料館に依頼された高校での絵画創作活動と外国語学習との関連に関して聞き取り調査を行うとともに、絵画創作活動に従事した高校生による英語での発信活動を設定し、その学習効果を検証した。
日本とイタリアの小学校間での絵本を用いた実践では,科研費を活用して開発した英語絵本を活用した。本科研での研究成果を踏まえて,絵本という表現メディアが,その物語が持つ言語情報と挿絵の視覚情報が効果的に組み合わされ,児童の興味や関心,特に感情に訴える方法で,効果的な文化の学びの可能性をもつと考えた。
高校では、前年度に引き続き、広島市立基町高等学校(普通科創造表現コース)の調査を行なった。同コースにおける「原爆の絵」作成のプロジェクトは、広島平和記念資料館の依頼により、この創作活動に賛同する学生が、被爆者の証言をもとに、原爆の絵を作成するという活動となっている。この創作活動は、広島平和記念資料館の被爆者の証言の伝承活動と連動している。2023年度では、調査対象の高校生の創作活動に連動して、英語ギャラリートークを行い、その統合的な学習活動の評価を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の主要な課題として、各種のミュージアムのリソースを学校現場に活用して、外国語学習の充実を図ることを目指している。特に2022年度の後半から、COVIT-19の感染状況が改善し、各種のミュージアムの教育リソース調査と学校の外国語学習の連携活動について、実際に訪問による聞き取り調査が、概ね予定通りに実施できるようになった。そのため、イタリアと日本の小学校の協同学習プロジェクトの実践研究では、概要で述べたように、両校の協同学習プロジェクトを成功裡に実践することができた。特に英語絵本の体験的な学習活動が、児童の異文化間能力を促進することを確認することができた。また、広島の高校生の聞き取り調査、および学習の状況調査でも、ほぼ1年間にわたる調査を継続し、さらに発展な英語によるギャラリートーク活動とその評価活動として、研究を発展することができた。
これらの研究成果として、ミュージアムの教育的なリソースの特徴である「視覚情報の学び」と「言語の学び」を効果的に組み合わせる学びが、学習者の創造的な思考力を促進し、英語学習を含む全体的な学習への態度や意欲向上につながる状況を確認できている。今年度の研究調査で、特に注目すべき課題として浮かび上がった要素が、学習者の創造性と自律性である。
本研究の調査対象(小学生と高校生)の大多数が、創造的なアプローチで,それまで学んだ知識や技能を統合的にまとめる学習活動が,言語(英語)と文化の学びの自律性につながる可能性が認められた。これは、学習者が学んだ情報を無批判に取り込むのではなく,学習者自身の経験に照らし合わせて再編成をすることで,その学習を学習者自身にとって価値のあるものとして、認識できるからではないだろうか。研究の最終年度として、この学習者の創造的な思考力の促進という観点に特に注目したい。

今後の研究の推進方策

2024年度は、本研究の最終年度となる。そこで、研究のまとめとして、これまでの研究成果をまとめ、その成果を関連の学会発表や研究誌への論文投稿を行う。その際に得られる参加者の意見や論文への反応を参考に、本研究の全体的な報告書を作成する予定である。
小学校の研究課題では、2023年度の英語絵本の成果をもとに、より広範な学習成果を検証するために、異文化理解の学びの発展的な促進を目的とした英語の絵本教材を出版し、そのワークショップを実施する予定である。ワークショップでは、絵本の絵画表現の視覚情報と物語の言語情報の統合的な体験的な活動を設定し、その効果を検証する。
高校段階の研究課題では、広島市立基町高校の「原爆の絵」作成のプロジェクトに携わっている高校生の学習成果を検証する。この高校生の学習成果として、広島平和資料館との連携的な教育活動が、所属する高校での絵画表現の学びや英語学習への促進要素となっていることが確認できている。特に広島という平和文化の象徴性が、「原爆の絵」作成の教育的なプロジェクトに大きく影響している。それはこの地域が持つ歴史的な特殊性の価値が国際的な価値を持ち、この地域の平和文化の発信言語として、英語コミュニケーションの重要性が増していることにも連動している。広島平和資料館というミュージアムが有する平和文化への国際的な発信活動についても分析を行い、高校段階の研究課題としてまとめる予定である。
小学校段階と高校段階の両方の英語学習を含む統合的な教育活動について共通している重要な要素は、創造的な思考力という観点である。この要素は英語学習という外国語学習の自律性を高め、生涯学習という継続的な学習へとつがなる要素があり、最終年度では集中的な分析を行う予定である。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (21件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] IC Andorno Micca Primary School(イタリア)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 小学校の英語授業において創造的思考力を育む文化の 発表プロジェクト-「中学校へのパスポート[文化編]」の活用-2024

    • 著者名/発表者名
      清田洋一、中山夏恵、栗原文子、黒木愛
    • 雑誌名

      Language Teacher Education 言語教師教育 (JACET教育問題研究会会誌)

      巻: Vol. 11, No.1 ページ: 1-19

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 小学校英語検定教科書分析-異文化間コミュニケーション能力育成のための指標を求めて2021

    • 著者名/発表者名
      中山夏恵・栗原文子・清田洋一
    • 雑誌名

      Language Teacher Education 言語教師教育

      巻: Vol.9 No. 1 ページ: 70-83

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ミュージアムと連携した外国語学習2021

    • 著者名/発表者名
      清田洋一, Georgette Keolanui-Wilson, 阿部志乃
    • 雑誌名

      Language Teacher Education

      巻: Vol.7 No.1 ページ: 86-94

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Report on CLIL Class Observation in Turin and Nearby Schools2019

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Kiyota
    • 雑誌名

      Language Teacher Education

      巻: Vol. 6, No. 2 ページ: 83-90

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] Teaching Culture Creatively: A Project in Elementary School English Classes2023

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Kiyota, Natsue Nakayama
    • 学会等名
      Asia TEFL
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] グローバル・デジタル・シティズンシップ教育を 日本の英語教育に取り入れることの意義と可能性2023

    • 著者名/発表者名
      清田 洋一, 栗原文子, 中山夏恵
    • 学会等名
      言語教育エキスポ 2022(JACET 教育問題研究会主催)2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学校英語における学習ポートフォリオの可能性:「中学校へのパスポート」および「言語学習記録」を活用した実践と課題2023

    • 著者名/発表者名
      清田 洋一,米田 佐紀子,中山 夏恵,土屋 佳雅里、押田 真裕子,黒木 愛,栗原 文子
    • 学会等名
      言語教育エキスポ2023
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学校英語学習ポートフォリオ「文化編」の開発―児童の振り返りのための自己評価シートの策定-2022

    • 著者名/発表者名
      栗原 文子・清田 洋一・中山 夏恵・黒木 愛
    • 学会等名
      日本児童英語教育学会第42回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学校英語学習における文化の学びの実践 ― 国立民族学博物館『みんぱっく』を活用して2022

    • 著者名/発表者名
      清田 洋一・北野 ゆき
    • 学会等名
      日本児童英語教育学会第42回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Two Projects for Fostering Imagination, Communication Skills, and Intercultural Awareness2022

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Kiyota
    • 学会等名
      Tokyo JALT Teaching Younger Learners SIG Event
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Extensive Reading Project with Oxford Reading Club in Our English Program2022

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Kiyota
    • 学会等名
      全国語学教育学会第48回年次国際大会(福岡)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 小学校英語学習ポートフォリオ:「中学校へのパスポート」の開発2022

    • 著者名/発表者名
      清田 洋一・栗原 文子・土屋 佳雅里・山口 高領・米田 佐紀子
    • 学会等名
      言語教育エキスポ 2022(JACET 教育問題研究会主催)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学校の外国語授業における相互文化的能力育成の現状と課題-検定教科書の分析結果から2021

    • 著者名/発表者名
      中山夏恵・栗原文子・清田洋一
    • 学会等名
      第41回JASTEC秋季研究大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学校英語学習ポートフォリオ開発―「聞くこと」と使用語彙,文化に関しての学校検定教科書の分析をもとに2021

    • 著者名/発表者名
      清田洋一、竹田里香、松延亜紀、土屋佳雅里
    • 学会等名
      言語教育エキスポ2021
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] Enhancing Cultural Understanding Attitudes through International Collaborative Learning Project2020

    • 著者名/発表者名
      清田洋一
    • 学会等名
      第10回国際平和博物館会議
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ミュージアムと連携した外国語学習(小学校におけるプロジェクト型学習の事例の活用)2020

    • 著者名/発表者名
      清田洋一, Georgette Wilson, 阿部志乃
    • 学会等名
      言語教育エキスポ2020補講
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 『「教師の自己評価」で英語授業は変わる』J-POSTLを活用した授業実践2020

    • 著者名/発表者名
      清田洋一、浅岡千利世、栗原文子
    • 学会等名
      言語教育エキスポ2020補講
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] Language Learning in Cooperation with Museums2019

    • 著者名/発表者名
      清田洋一、Georgette Wilson, 阿部志乃
    • 学会等名
      28 th International Symposium and Book Fair on English Teaching
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [図書] Global Citizenship in Foreign Language Education: Concepts, Practices, Connections2022

    • 著者名/発表者名
      Christiane Luetge, Thorsten Merse , Petra Rauschert (編集)
    • 総ページ数
      519
    • 出版者
      Routledge
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] International Cooperative Leaning Project

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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