研究課題/領域番号 |
19K00806
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
藤本 和子 創価大学, 文学部, 教授 (20350499)
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研究分担者 |
黒田 正博 岡山理科大学, 経営学部, 教授 (90279042)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 英語法助動詞 / 英語法副詞 / 学習英文法 / コーパス言語学 / 学習指導要領 / アカデミックライティング |
研究開始時の研究の概要 |
助動詞や副詞などのモダリティ表現(可能性や必然性などについて話し手、書き手の心的態度を表す言語表現)は、コミュニケーション活動において重要な役割を果たす。しかしながら、モダリティ表現を習得して、それらを言語の使用目的や状況に合わせて適切に使用することは、EFL/ESL学習者には、非常に難しいとされる。本研究では、大規模英語母語話者コーパスと学習者コーパスの分析に基づき、日本人英語学習者の確信度や丁寧さを表す助動詞と副詞の使用傾向を調査し、平成30年告示の新高等学校学習指導要領の記述も参照しながら、助動詞や副詞を用いて効果的なコミュニケーションを図るための指導内容を提案することを目指す。
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研究実績の概要 |
1.勧告、要求、提案などを表す動詞に後続するthat節中の仮定法現在とshouldについて、コーパス基盤型先行研究と本研究でのコーパス分析結果から、個々の動詞により、後続するthat節中にいずれの形が用いられるか、その度合いに異なりがあることが分かった。さらに、これら2つの形態の選択には、受動態/能動態などの構造も関係すると考えられる。これらのことを踏まえ、英語学習に大きな役割をもつ英米の6つの主要出版社のオンライン英英辞典におけるこの用法の扱いについて調査分析を行った。調査した辞典の間で、同じ動詞でも後続するthat節中にいずれの形態をもつ用例を掲載するか異なりが見られた。しかしながら、調査した6つの辞典全体では、仮定法現在とshouldのいずれがよく用いられるか、これまでのコーパス分析結果と類似する分析結果も得られた。この用法の指導において、後続するthat節中に、仮定法現在をとりやすい動詞、shouldのほうを好む傾向にある動詞をそれぞれ構造の特徴とともに優先的に指導することも考えられる。これらのことを論文にまとめた。 2. 英国ランカスター大学に客員研究員として滞在し、同大学の研究協力者であるWillem Hollmann氏と日本人大学生のライティングにおける助動詞の使用の特徴の要因と指導内容や教材の改善案について、これまでの本研究でのコーパス分析結果を総合的に見ながら、ディスカッションを重ね検討を行った。論文投稿する予定である。 3.英国ランカスター大学で開催されたコーパス言語学関係の講演会やリサーチミーティングに参加して、研究の動向と新たな知見を学ぶことができた。新たなコーパスデータ分析ツールについても実践的に使用法を学ぶことができた。さらに、海外の研究者との交流により、英語の多様化と英語指導について、ディスカッションを行い、今後の研究の方向性を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大が収束を見ず、研究分担者の黒田正博氏と研究協力者のWillem Hollmann氏とも、主に遠隔で、データの分析や検討などを進めざるを得ず、研究の進捗状況に影響があった。しかしながら、今年度は、ランカスター大学に滞在して、Hollmann氏と対面で、データ分析結果をもとに、学習者の英語使用の要因や指導内容の提案などについて、討議しながら研究を進めることができた。同大学の図書館データベースや研究サポートにより、日本国内では入手が難しかった文献を得ることができたことや、同大学において、海外の研究者との対面での研究討議により、最近の研究の動向を知ることができたことなどは、研究の進捗に有益であった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、本研究の最終年度となる。助動詞と副詞について、本研究で得られたすべてのデータ分析の結果を考察し、日本人英語学習者の助動詞と副詞の使用の特徴と要因、指導内容の提案、教材の改善点などについてまとめ、研究成果を発表したい。
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