研究課題/領域番号 |
19K00807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 神田外語大学 (2020-2022) 神奈川大学 (2019) |
研究代表者 |
拝野 寿美子 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (30747001)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 継承ポルトガル語教育 / 異文化間能力 / 在外ブラジル人 / 継承語の資産性 / 在日ブラジル人 / 在日ブラジル人女性 / 継承ポルトガル語 / 日系ブラジル人 / 継承日本語 / 母語継承語教育 / ブラジリアン・ディアスポラ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では複言語・複文化環境で育つ子どもたちの継承語(海外移住者の親が子どもに伝える自らの母語)教育において、子どもたちの「異文化間能力」(自らおかれたマイノリティ性を肯定的に捉えて生きる力)がどのように形成されていくのかを問う。 継承語教育が進んでいる欧米在住ブラジル人移住者の継承ポルトガル語教育と比較しつつ、継承語の重要性が十分認識されていない日本において「外国につながる子ども」の多数を占めるブラジル人の子どもたちへの継承語教育を検証することで、多文化化・多国籍化が進む日本における在日外国人第二世代への継承語教育を通したエンパワーメントに貢献する研究の蓄積を目指す。
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研究成果の概要 |
継承語がマイノリティの子どもたちの異文化間能力形成に与える影響を明らかにすることを目的に、ブラジルルーツの子どもたちの継承語教育の日欧比較を試みた。 欧州では、言語レパートリーの一つとして継承語維持が社会的に推奨される。日本では移民の言語文化が社会的に価値づけられておらず、子どもたちは自らのルーツを肯定的に捉えられない。日本の継承ポルトガル語教師は、継承語教育を通して子どもたちに自らのルーツの価値を伝え自尊心を持たせることで、子どもたちの日本の学校への適応を支援している。継承語は親子だけでなく、社会につながるツールでもある。自尊心がマイノリティの異文化間能力の土台であるとの示唆も得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では、欧米に比べて移民の継承言語文化の社会的価値が十分認識されていないため、その教育の当事者性は移民自身に限定される傾向が強い。このような状況において、本研究では、継承語教室で活動する地域の日本人ボランティアが、この活動を通して外国人住民の現状を知ったり、ブラジルやポルトガル語の知識を持つことで地域のブラジル人コミュニティにつながるなど、移民の継承語教育が地域住民の異文化間能力形成にも寄与してことがわかった。 この結果から、移民の継承言語文化が外国人住民と地域住民両者の社会的資産であることが明らかとなり、移民の継承言語文化教育の当事者性を拡大する可能性が開かれた。
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