研究課題/領域番号 |
19K00810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
松村 昌紀 名城大学, 理工学部, 教授 (60275112)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 知識拡張 / 語彙ネットワーク / 第二言語 / 語義ネットワーク / 多義語 / ネットワーク / 創発 / 意味ネットワーク / 複雑系 / 波及 / 類義語 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の第二言語習得研究では、学習者が入力の形式的特徴に気づくことや、個々の用例から構造的なパターンを抽出することの重要性が強調されている。しかし、言語発達を真に複雑で適応的な現象と見るなら、入力情報が既存の知識に働きかけることで、入手された情報の範囲を超えた新たな知識が生み出される可能性が考慮されなければならない。本研究では英語における動詞の多義構造と類義語の分布に関してそのような事実が確認されるかどうかを検証する。第二言語知識の創発的な性格の一端が示されることは、有機的で豊かな言語経験の提供を重視する指導方法論の普及にもつながると考えられる。
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研究成果の概要 |
第二言語の語彙ネットワークはさまざまな要素が相互に影響を及ぼし合う複雑なシステムであるとの認識に立ち、学習者の発達における創発的な知識拡張の実相を示すことを目指した。英語学習者の多義的な動詞runのさまざまな語義に対する容認度判断の結果からは、実際に新たな用例との接触が学習者の当該語の語義に関する知識全体に影響を与えることが明らかになった。同様の知識拡張は類義語間の意味的境界についても起き得る。それらをふまえ、言語指導において有機的な知識の再構成を促すために参照的コミュニケーション・タスクを用いることの意義とその方法を議論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第二言語発達において学習者に与えられる入力の範囲を超えた自発的な知識の拡張とそれに伴うシステムの調整が起きるという認識は、学習可能性の議論における「証拠」概念の拡大を促す。実践的な観点からは、第二言語発達の創発的で非線形的な性格を前提に、参照的なコミュニケーション課題が言語指導において学習者の知識の有機的な統合と拡大を促すために有効であることが理解され、その積極的な利用につながることを期待できる。
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