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小学生の英語の文構造に関する知識の発達:模倣発話タスクによる縦断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K00811
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02100:外国語教育関連
研究機関名古屋女子大学短期大学部 (2020-2021)
愛知工科大学 (2019)

研究代表者

江口 朗子  名古屋女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (30758602)

研究分担者 村尾 玲美  名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (80454122)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 交付 (2021年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード小学校英語 / 文構造の知識 / 模倣発話タスク / 音韻的作動記憶 / 定型パターン / 語彙サイズ / 英語スピーキングタスク / パフォーマンス評価 / 文法性判断課題 / 定型表現 / メタ言語知識 / ワーキングメモリ / 統語発達 / 音韻的短期記憶
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は,小学生の英語の文構造に関する知識について,模倣発話タスクを使って長期的に調査し,処理可能性理論という第二言語習得理論の統語発達の枠組みで,定型表現の知識との関連性に着目しながら,その発達過程を明らかにすることである。模倣発話タスクとは英文を聞かせて口頭再生させるタスクで,実験文を調整することにより,言語産出能力が未熟な学習者が無意識的に持っているかもしれない文法知識や定型表現の知識をも測定することが可能である。模倣発話タスクの結果に影響を与える可能性のある英語語彙サイズと音韻的短期記憶も並行して測定することにより,模倣発話が学習者の言語知識を反映しているかどうかの検証も行う。

研究実績の概要

本研究の目的は,小学生の英語の文構造や文に関する知識について,第二言語習得理論に基づいて縦断的かつ包括的に調査し,その発達を観察することである。2020年度までに,公立小学校の 2つの対象群(A)小学4年生から5年生,(B)小学5年生から6年生の計約170名に,模倣発話タスク,文法性判断課題,メタ言語知識課題,語彙サイズテスト,デジットスパンテスト,音声と文字による英単語認知課題,英語スピーキングタスクの7つのタスクを横断的,及び縦断的に実施し,別の対象群への予備実験を含めたデータ分析から,次の知見が得られていた。(1)模倣発話タスクと文法性判断課題の結果には,統語構造ではなく,語の線形順序や語彙的な知識が反映されている。(2)模倣発話タスクにより,文に関する知識を測定することの妥当性が確認できた。(3)模倣発話において,名詞は単体でも記憶されやすいが、動詞は句・連語の中で記憶されやすい。(4)語順や語の組み合わせに関する知識は,語彙知識と同じように学年が上がるにつれて着実に伸びている。2021年度は,さらに横断的・縦断的にデータ分析を進め,次のことを明らかにした。(5)小学生は,一般動詞に関する規則には気づきやすいが,be動詞のように語彙的な意味を持たない語の規則には気付きにくい。(6)文や文構造に関する知識は,特に小学4年生から小学5年生にかけて顕著に伸びる。(7)小学生にとって,即興的にwh疑問詞と一般動詞を組み合わせて疑問文を産出するのは難しく,定型パターンにより意味を伝えようとしている児童が多い。これらの研究を論文2編にまとめ,各学会誌に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度までの2年間に,研究協力校の公立小学校にて,文構造や文に関する知識の発達を縦断的かつ包括的に調査するためのタスクやテストを実施してデータ収集を完了することができ,2021年度は,そのデータに基づいて,小学生の文構造や語と語の組み合わせの誤りへの気づきに関する縦断的な分析結果について論文執筆し,『中部地区英語教育学会紀要』に掲載された。さらに,当初の研究計画を拡張し,CBT版の英語スピーキングタスクを開発して実施し,英語での自然なやり取りの中での英語発話のパフォーマンス評価、及び発話データの文構造の分析を行い,小学生の知識や技能の実態を明らかにした。この研究に関する論文は,JES Journal (小学校英語教育学会学会誌)に投稿し掲載が決まった。以上の成果発表ができたことから,順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

本年度は,4年間の本科研プロジェクトの最終年度にあたる。まとめとして,主に次の2つの計画を立てている。一つ目は,小学校英語シンポジウムの開催である。小学生の英語に関する知識や技能の実態についての本科研の研究成果を,小学校英語に関心のある大学教員(研究者),小中学校の教員,教員志望の学生の間で共有し,それぞれの立場から小学校での授業にどのようにつないでいくことができるかについて意見交換を行う。二つ目は,公立小学校で実施した模倣発話タスクと文法性判断課題の縦断データの分析を完了して論文執筆を行い,本プロジェクト全体のまとめを行うことである。

報告書

(3件)
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書

研究成果

(10件)

すべて 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 小学生の英語文構造への気付きとメタ言語知識の発達―縦断的調査から見えること―2022

    • 著者名/発表者名
      江口朗子
    • 雑誌名

      中部地区英語教育学会紀要

      巻: 51 ページ: 1-8

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小学校外国語科における「話すこと」のパフォーマンス―ルーブリック評価による学年間比較―2022

    • 著者名/発表者名
      江口朗子
    • 雑誌名

      JES Journal (小学校英語教育学会学会誌)

      巻: 22 ページ: 118-133

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小学生の英語文構造に関するメタ言語知識の発達―「間違いさがしクイズ」による探索的研究―2021

    • 著者名/発表者名
      江口朗子 , 犬塚章夫
    • 雑誌名

      中部地区英語教育学会紀要

      巻: 50 ページ: 9-16

    • NAID

      40022700808

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 小学生の英語受容語彙サイズ―外国語活動・外国語科における意図的学習の有用性―2021

    • 著者名/発表者名
      江口朗子
    • 雑誌名

      名古屋女子大学紀要, 人文・社会編

      巻: 67 ページ: 205-216

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 小学生の英語の文に関する知識の測定法としての模倣発話タスク―妥当性の検証と模倣発話の質的分析―2021

    • 著者名/発表者名
      江口朗子
    • 雑誌名

      JES Journal (小学校英語教育学会学会誌)

      巻: 21 ページ: 111-126

    • NAID

      40022558125

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 模倣発話課題と文法性判断課題による小学5年生の英語の統語構造に関する知識の測定ー結果に影響を与える要因分析ー2020

    • 著者名/発表者名
      江口朗子
    • 雑誌名

      JES Journal (小学校英語教育学会学会誌)

      巻: 20 ページ: 304-319

    • NAID

      130008023807

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 小学生の英語文構造に関するメタ言語知識の発達-縦断的調査から見えること-2021

    • 著者名/発表者名
      江口朗子
    • 学会等名
      中部地区英語教育学会 第50回記念愛知大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 英語で「話すこと」における「知識・技能」のパフォーマンス評価 ―小学5・6年生の学年間比較―2021

    • 著者名/発表者名
      江口朗子
    • 学会等名
      第21回 小学校英語教育学会 関東・埼玉大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 英語模倣発話に観察される 小学5年生の統語発達2020

    • 著者名/発表者名
      江口朗子
    • 学会等名
      第20回 小学校英語教育学会 中部・岐阜大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学生の英語の文構造に関する知識 -模倣発話タスクと文法性判断課題の結果に基づく予備的検討-2019

    • 著者名/発表者名
      江口朗子
    • 学会等名
      小学校英語教育学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2022-12-28  

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