研究課題/領域番号 |
19K00837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
大須賀 直子 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (40514162)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | pragmatic routines / 気づき / 気づきの言語化 / 明示的な語用論指導 / 口頭談話完成タスク / noticing / vevalization / pragmatics / speech acts |
研究開始時の研究の概要 |
Pragmatic routinesの習得は語用論的能力の発達にとって重要であるが、一方で、第二言語学習者にとっては習得が難しいことも明らかになっている。そこで、学習者のpragmatic routinesの習得を促進するためには、何らかの指導や足場かけが必要と考えられる。本研究では、まず学習者が口頭による談話完成タスクを行ない、その後に母語話者によるモデル発話を音声および文字で提示して、表現の違いで気づいたことを筆記させる。そして、このような「気づき」の言語化がpragmatic routinesの習得に、短期的および長期的にどのような効果を及ぼすかを探る。
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研究実績の概要 |
2022年度はこれまでおこなった実験を発表や論文にまとめることに注力した。まず、最初におこなった「気づきの言語化がpragmatic routinesの習得に与える影響」を確かめるための実験について、発表形式にまとめ、2022年6月に 9th International Conference on Intercultural Pragmatics and Communication INPRA 2022で発表した(コロナ禍のため、オンライン発表)。この実験では、12名の実験参加者に、16の場面から成るDCTsに英語で口頭回答してもらい、その後英語母語話者の回答と比べてどういう点に気づいたかを筆記してもらった。その後、1週間以内、1カ月後に同じDCTsに回答してもらい、短期的、中期的に、対象とした17のpragmatic routinesの産出がどう変わるかを検証した。結果としては、検証した計204の事例のうち61(約30%)の事例で対象のpragmatic routineが新しく産出されたが、100(約50%)の事例では一度も対象のpragmatic routineが産出されなかった。留学の経験が与える影響(Osuka, 2017)に比べると、気づきのアクティビティはpragmatic routinesの習得に一定の効果があることがわかった。また、対象のpragmatic routineについて気づきを書いた(言語化した)にも関わらずそのpragmatic routineが産出されなかった事例、気づきを書かなかったのに産出された事例なども多く見られ、気づきの言語化の影響については、さらなる調査が必要なことが示唆された。この実験の結果は、明治大学国際日本学研究第15巻(2023)において、論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で、データ収集のタイミングがかなり遅れてしまい、さらに発表の機会が限定されてしまったため、研究の進捗状況に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、パイロットスタディの結果を基に改良を加えておこなった本実験について、その分析結果をまとめて国際学会で発表したり、論文を国際ジャーナルに投稿する予定である。まずは、2023年7月に開催される国際語用論学会(IPrA)で研究発表することが決定している。論文については現在執筆中であり、2023年中には完成させて投稿する予定である。
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