研究課題/領域番号 |
19K00839
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
藤田 賢 愛知学院大学, 文学部, 教授 (50804358)
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研究分担者 |
石田 光男 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (00443432)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 一貫性・結束性理解 / テストの妥当性検証 / オンライン測定 / 視線計測 / 英文読解 / コンポーネントスキル / 一貫性・結束性判断 / 言語処理 / 思考・判断 / 母語転移 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「日本人英語学習者が英文の一貫性・結束性理解において、英文の言語処理と内容の思考・判断をどのように行っているか」を明らかにすることを研究課題とする。小中高の新学習指導要領では、「知識および技能」と「思考力、判断力」を概念的に分けて育成することを目標にしている。本研究では、英文理解において、読み手が、語彙、文法力を使って1文単位での言語処理を行いながら、どのように1文を超える文間の内容の繋がりを考え、判断しているのかについてのメカニズムとプロセスを解明する。また、母語での同じ能力の転移についても検証する。以上により、教室での英語指導や国語教育との連携についての示唆を期待できる。
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研究実績の概要 |
4年目 (2022年度) の研究実績について以下に報告する。これまでの研究について藤田 (2019, 2020, 2021a, 2021b) の論文で報告してきた量的研究の結果を、理論編と実験編に再構成して研究成果刊行物として単行本にまとめた。刊行物は、『英語学習者における一貫性と結束性の理解―言語処理・思考・判断―』というタイトルで、数値を扱った研究結果の一応のまとめとなった。 量的研究の結果は、以下の通りとなった。英語学習者の言語習熟度がある一定の発達段階に達すると、一貫性・結束性判断の速さにおいても正確さにおいても効率がよくなった。同時に、一貫性の判断は、結束性があることによって促進されることが分かった。また、英文読解力は、語彙、文法構文力の強い影響とともに、英語の一貫性・結束性判断力の弱い影響を受けるが、日本語の一貫性・結束性判断力の影響は間接的なものにとどまることが明らかになった。 また、質的研究としては、新型コロナウイルス感染症が落ち着いた2021年度10月から12月に視線計測実験を行った。2022年度は、収集した約30名の視線計測データの分析を、1名ずつ慎重に行った。2023年3月初めには、データの基礎解析を終了することができた。2022年度末には、データの今後の整形と最終分析方法の打ち合わせを行ったところである。 2023年度は、最終的な分析を終えたデータ結果を考察し、理論編を整理し直したのち英語による論文にまとめ、できれば国際学会で発表する予定にしている。 以上のように、本研究は、新型コロナウイルス感染症の流行下での執行となったことからデータ収集が遅れた。その結果、さらに研究年限を1年延長し、研究の最終まとめを行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、2021年度の前半には視線計測データを収集し、2021年度後半には基礎的分析を終え、2022年度には、論文にまとめた上で、学会発表を行い、本研究を終了する予定であった。しかしながら、新型コロナウィルス感染症の影響で、視線計測データの収集と基礎的分析の打ち合わせの終了が2021年度末までずれ込んだ。 2022年度は、約30名の視線計測データの基礎的分析を丁寧に手作業で行った。測定機器の性能の限界もあり、2名の分析者が話し合いならが分析者間信頼性を確保して、作業を進めた結果、基礎的分析の終了は、2023年3月初めとなり、2022年度末には、最終分析の打ち合わせを行ったところである。 以上のように、本研究は、新型コロナウィルス感染症による視線計測データの収集が遅れたこと、測定機器の性能の限界があり基礎的分析に時間がかかったことにより、研究全体の進捗がやや遅れているというのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、まず、視線計測データの整形、最終分析と結果の考察を完成する。次に、理論的背景を整理して、データ結果と考察をつなぎ合わせることにより、論文として発表する予定である。論文は、英語による執筆とし、できれば国際学会で発表したいと思う。 また、継続研究に向けて、理論的背景を再度整理し、測定機器をアップグレードすることにより、読みのモニタリングの観点から新しいテーマでの研究へと発展させる予定である。
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