研究課題/領域番号 |
19K00855
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 西南学院大学 (2020-2022) 東北学院大学 (2019) |
研究代表者 |
中西 弘 西南学院大学, 外国語学部, 教授 (10582918)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | シャドーイング / 統語処理 / 目的格関係節 / プロソディシャドーイング / ワーキングメモリ / リスニングスパンテスト / プロソディーシャドーイング / プロソディー / コンテンツシャドーイング / 自動化 |
研究開始時の研究の概要 |
日本人英語学習者は、様々な言語処理段階(例:意味・統語・語用論)の中でも、統語処理にかかる認知コストが高い。中でも、動詞の下位範疇化情報を統語解析中に利用出来ないこと、統語的に複雑な文(例:縮約関係節・中身―空所構文)の処理が困難であるため、非統語情報(例:プロソディ・意味・文脈情報)に依存しながら統語処理を進めていることが指摘されている。今回の研究では、統語構築の手掛かりとなるような韻律情報(プロソディ)を十分に付与した音声素材を用いて、日本人英語学習者がシャドーイング学習をすることで、統語処理の自動化(動詞下位範疇化情報の利用、複雑な統語構造を含む文処理)が促進されるのかどうか検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、日本人英語学習者を対象に、関係節を含む文処理時に韻律情報を適切に利用できるかどうか習熟度別に検討した。実験には3条件が設定された(A統語―韻律一致条件、B中立条件、C統語―韻律不一致条件)。その結果、正解率は、1) A条件が最も高く、2) A・C条件で、習熟度上位群が下位群を上回った。 その上で、統語構築の手掛かりとなる韻律情報を付与した関係節文のシャドーイングを行った。その結果、1)関係節文における正解数・音読速度・理解速度が有意に向上し、2)習熟度間でプレテストで観察された理解速度の差が、ポストテストで消滅した。シャドーイングにより学習者の統語処理が促進されることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シャドーイング研究は数多く行われてきたが、主に音声知覚・産出との関連を調査した研究がほとんどであり、言語処理―中でも日本人英語学習者が英語流暢性の獲得の上で障壁となっている統語処理―がいかにして促進されるのかについては、焦点が当てられてこなかった。 日本人英語学習者は、特に統語処理が自動化されておらず、韻律情報や意味情報などの非統語情報を参照しながら統語解析を進めることがこれまでに指摘されている。本研究は、特に、日本人英語学習者にとって処理困難とされる目的格関係詞を含む文に十分な韻律情報を付加した音声教材をシャドーイングさせることにより、学習者の統語処理が促進されることを示した研究である。
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