研究課題/領域番号 |
19K00868
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
加野 まきみ 京都産業大学, 文化学部, 教授 (90352492)
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研究分担者 |
ゴーベル ピーター 京都産業大学, 文化学部, 教授 (40329925)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多読学習 / リーダーコーパス / Easy Reader for Adults / 読みやすさ指標 / Graded Reader / Youth Reader / Authentic Text |
研究開始時の研究の概要 |
英語学習者が多読学習用リーダーなどの学習者用の読み物から英語母語話者向けの一般書や研究に必要な学術書が読めるレベルになるまでの架け橋になるような資料の発掘やそれを用いた指導法を確立することを目指す.学習者が英文を読む際に感じる「難しさ」とはどのようなものなのかを解明し,効果的な資料を提供するために, 2方向から分析を行う.コーパス言語学的アプローチでは,多読学習に使用できる可能性のあるリーダーや,最終目標の一般書・学術論文をデータ化して分析し,実証的アプローチでは,これらの要素をについて,学習者のテキストへの理解度や認識を測定する.それにより,実際に学習者の理解度に影響する要素を特定する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,英語学習者が多読学習用リーダー (Graded Reader, GR) などの学習者用の読み物から英語母語話者向けの一般書や研究に必要な学術書 Authentic Text (AT) が読めるレベルになるまでの架け橋になるような資料の発掘やそれを用いた指導法の確立である. 今年度は,AntConc, AntWordProfiler,Text Inspectorなどの分析ツールや,BNC,COCAなどの汎用コーパス,またBNC wordlist, The BNC/COCA word family lists, general service list, academic word list, COCA ngram listなどの語彙表を使用し,学習者が読んだリーダーのデータの分析を行った.特に,Text Inspectorを導入することにより,様々な語彙表での語彙レベルの判定,品詞や語長・文長などによる文の複雑さだけではなく,それより大きな単位で行うメタディスコース分析など,数多くの要素を一括して分析することが可能になり,作業の効率化が進んだ. 多読学習に他に組み込む可能性のあるリーダー・シリーズとして,成人向け再教育用図書,有名作家による子供のための小説などの種類を検討した結果,Easy Reader for Adultsシリーズのデータの収集を開始し,分析語彙や文法表現の分析を行った. 昨年度までに作成した,文章を読んだ被験者の理解度を測る質問や事後アンケートに修正を加え,次年度にオンラインで規模を広げて実施できる準備を進めた.コーパス分析で明らかとなった「難しさ」の原因になり得る要素のうち,学生がどの要素(文構造,語法,意味など)に実際に難しさを感じるのかを実験的な手法での検証を行うためのデータの選定を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
成人向け再教育用図書であるEasy Reader for Adultsシリーズのリーダーの入手が遅れたため,年度前半にデータの収集ができなかった.後半はリーダーのデータ化を担当する学生アルバイトの手配ができなかったため,作業が滞った.そのため,データ全体の分析を終わらせることができず,実証実験で使用する文章の選定も遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
現在構築中のリーダーコーパスの完成を早期に達成し,各種リーダーコーパスのそれぞれの言語的特徴を明らかにし,多読学習への有効性を判断する.分析にはText Inspectorを用いることで,これまでの語彙表による分析だけではなく,Lexical DiversityやMetadiscourse Markerなど数多くの指標による分析も行うことが可能となる.また,実証的アプローチの調査を学習者200人を対象とする体制を整え実施する. Authentic Text (AT) の「難しさ」の要因を明らかにするために行った調査の結果を元に,学生の「難しさ」認識に繋がった可能性があると判断された文法項目,文の構造,表現などを,意図的に操作した文章を作成しこれらのデータを分析し,その結果を踏まえて,多読学習ではGRに加えて,どのレベルで,どのようなリーダーがあれば,「難しさ」の克服に繋がり,さらには英語母語話者用の一般書や学術書 (AT) への架け橋になるのか,提案をする.研究の成果は広く国内外の学会で発表,論文を出版する.
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