研究課題/領域番号 |
19K00898
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
辻本 智子 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30288758)
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研究分担者 |
宮畑 一範 大阪公立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (20229876)
瀬戸 賢一 佛教大学, 文学部, 教授 (40154661)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 英語句動詞 / 英語前置詞 / メタファー / メトニミー / シネクドキ / 多義性 / 前置詞 / 認知言語学 / 多義語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、代表者・分担者が共に長年培ってきたメタファー・メトニミー・シネクドキの3つの概念を基盤とする意味ネットワーク記述のアプローチにより、英語句動詞のさまざな意義と意義とがネットワークとしてつながって展開していることを、アニメーションの活用により、専門用語を用いずに体感的に学習者に訴えかけることができる解説用の教材を開発する。 さらに、現場の先生方向けに「指導上のポイント」というページを作成し、将来的に認知言語学の成果を指導に生かしてもらえるよう工夫し、授業内ではなかなか包括的に扱うことのない句動詞を、さまざまなスマートデバイスを利用して習得することができるシステムの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
初年度(令和元年度)は『英語多義ネットワーク辞典』と『プログレッシブ英和中辞典 第五版』において培った句動詞に関連するリソースの再加工と例文素材の収集の時期と位置づけ、辞書の記述から教材への再加工は、まずその枠組みを確定するための、綿密な議論・検討が必要となるため、例会を開き、検討を重ねた。従来の句動詞解説書には、大きく2つの編集方針が見られた。ひとつはget up, get out, get on, get along といったように動詞を見出しとして整理するもの。もうひとつは、get up, take up, break up, come upといったようにparticle(不変化詞)を中心とするものである。本研究では後者の編集方針を採用した。 令和2~3年度はコロナ禍に見舞われ、コンテンツの執筆が思うように進まなかったが、『英語多義ネットワーク辞典』で構築した前置詞のネットワークを生かして、前置詞をわかりやすく解説する手法を模索した。3~4コマからなるイラストに音声解説を付けることとし、ひとつひとつの句動詞にどのようなイラストが適切かについて詳細な議論を重ねた。 令和4年度はある程度定期的な例会を行うこともできたが、メンバーが次々と体調を崩し、思ったように研究を進められなかったため、やむを得ず本研究であつかうparticle(不変化詞)の種類を限定することとし、計画を練り直し完成に向けて取り組んだ。 令和5年度は本研究で扱うparticle(不変化詞)をoutに絞り、come out, get out, turn out, find outなどoutを使った句動詞の分類・分析を進め、その効果的な解説手法としてアニメーションの作成に取り組んだ。現在は基本のアニメーションだけでなく、例文にイラストを付し、アニメーションとイラストをシンクロさせる方法を模索しながら各句動詞のコンテンツ作成を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2~3年度は、、長引くコロナ禍の中、分担者の中には体調を崩してなかなか研究に参加できない方もいらした。また、オンラインでのミーティングが不得手なメンバーもあり、従来の対面でのミーティングと同じような効果は得られなかったと言わざるを得ない。当初の計画どおりコンテンツの執筆が順調であれば、もうすでにスマートデバイスの画面に適したデザインについて議論を経て、生徒にも教員にも使いやすいインタフェースについて試行錯誤しながらアイデアを出し合い、最終的なデザインに絞り込んでいる時期であるはずだった。しかし残念ながら、コンテンツそのものの執筆が遅れているため、その段階にまだ達することができていなかった。 令和4年度は、ある程度定期的に対面でミーティングのできる環境が戻ってきたといえるが、令和2~3年度の遅れを取り戻すことはできなかった。そこで、当初の計画を変更し、本研究で扱う句動詞のparticle(不変化詞)の種類を減らす決断をした。 令和5年度は、扱う句動詞の種類は限定的となったが、その分特定のparticle(不変化詞)に関しては、より深く研究・解説が加えられるようになり、不変化詞の特徴を具現化するアニメーションの製作および扱う句動詞の具体的な例文の選定、さらにアニメーション活用の効果を高めるために、例文にはイラストを付し、アニメーションとイラストがシンクロするように工夫をこらしながらコンテンツの作成を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の令和2~3年度に生じた遅れが完全には解消できておらず、当初の予定どおり研究を進めることができなくなってしまったが、令和4年度以降当初の計画の規模を縮小するという決断をし、対象とする英語句動詞の種類を限定した。しかしこの方針変更により、対象をしぼった句動詞については、当初の想定よりもより深く追究することが可能になっている。 また、スマートデバイスの画面に適したデザインについて再度議論し直し、選ばれた英語句動詞を生徒の皆さんだけでなく、担当教員が指導する際にも、使いやすいインタフェースで提示できるように計画を練り直している。句動詞の核となる不変化詞の分類にアニメーションを活用するため、アニメーションの製作を進めている。また例文に付すイラストについても、アニメーションとシンクロする動きを盛り込む予定である。
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