研究課題/領域番号 |
19K00929
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
|
研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
吉田 弘子 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (50449857)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 多読 / 多聴 / アクションリサーチ / オンライン多読多聴 / e-book / eBook / オンライン多読 / 音声ペン / リーディング |
研究開始時の研究の概要 |
多読は英語教育で導入が進んでいるが、多聴についての研究報告は多読と比較して少ない。本研究は従来の音声CDによる多聴だけではなく、デジタル音声ペンやオンラインコンテンツ等を用いて多聴の可視化を図り、多聴を併用した英語多読学習について分析する。特に多聴教材の種類や多聴量が多読の成果にどのような影響を及ぼすのかを量的データ(読書量や外部標準テスト等)と質的データ(インタビューや観察等)を用いアクションリサーチの手法で検証する。本研究の成果により、英語カリキュラムへ多読・多聴を導入する際の示唆及びリーディング指導に対する助言を得ることができる。
|
研究実績の概要 |
研究5年目の2023 年度(令和5年)も研究が当初の計画のとおりには実施できなかった。本研究の多読多聴指導のアクションリサーチは一種の反転授業形式で学生は指定された目標語数と冊数を目指して授業外で多読多聴を実施し、その記録について授業内でフィードバックを受け、次の授業までに授業外で更に多読多聴本を読み聴きする形式で実施している。大学の英語授業は対面実施となり、図書館は通常通り開館されて多読多聴授業を行う上での制限はほとんどなくなった。しかし、授業を受講する学生が次々とインフルエンザやコロナなどで欠席し、また回復後も体調不良を訴える学生も少なからずいた。そのため、多読多聴を授業内外で実践して目標語数を読了するには厳しい状況が続いた。そこで、当初の研究計画を変更し学生の負担に配慮して、多読多聴の目標語数を優先するよりも、個別の進捗状況に応じて丁寧な多読多聴のフィードバックを返し着実に学生の多読多聴が進むようにした。また、大学に出校しなくとも多読が続けられるようにオンラインでの多読e-Bookの利用を積極的に呼び掛けた。また、これまでの研究で課題が明らかとなっていた多聴の実施には、リスニングの負荷(Rogowsky, Calhoun, & Tallal, 2016)に着目してリスニングが過大な負担とならないように個々の学生の学習スタイルを重視して学習者を観察しながら課題量を調整するなど注意深い指導を行った。学期の最初と最後にEPER テストを実施した結果、学生のスコアが有意に上昇しており、改良を加えた多読多聴指導がリーディングの伸びに効果があったことが示唆された。一方、研究代表者は日本多読学会(JERA)において研究結果を発表し、大阪経大論集に多読多聴指導方法についての手引きを投稿し掲載された。なお、大学英語教育会(JACET)での発表はいったんアクセプトされたが家の事情により発表参加を見送った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
5年目の研究は英語授業で多読多聴を対面で実施した。しかし、授業の学生を対象としたアクションリサーチを実施する本研究では、学生の全面参加を前提にしているが、学生のインフルエンザやコロナ感染症による欠席が続き、十分なアクションリサーチが行えなかった。また授業に復帰後も体調不良などで多読多聴に集中できない学生が多かった。これらの状況を鑑み、研究項目である指導方針を柔軟に変更し、多読多聴目標を低めに設定して細やかなフィードバックを実施したが、十分な分析には至らなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年である研究6年目の令和6年度は、これまでのアクションリサーチで明らかになった多読多聴指導の改善点を授業で十分に取り入れ、多読と多聴を組み合わせた指導の研究と発信を積極的に進めていきたい。
|