研究課題/領域番号 |
19K00932
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
バールィシェフ エドワルド 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (00581125)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | arcvhival Rossica / 移動させられたアーカイブズ / 記録遺産 / ナショナル・アイデンティティ / RZIA / Hoover Institution / 記録の移動・離散・再集合 / archival Rossica / アーカイブズの移動・離散 / ディアスポラ / 亡命ロシア人 / migrated archives / Bakhmeteff Archive / 戦間期の東アジアと世界 / 在外ロシア / 文化遺産 / 社会的記憶 / 亡命ロシア / 「移動させられたアーカイブズ」 |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化しつつある今日の世界では人々、物資、資源の移動などで象徴されるような国民国家を越境する諸問題が次第に重要性を増しているが、避難民などの形で表れる「強いられた移住」もそのひとつである。ちなみに、こうした「強いられた移住」の結果、文化遺産を含む人々の欠かせない所有物も世界各地で散逸されている。本研究で、1917年ロシア革命の結果、世界各地で離散されてしまった亡命ロシア人社会とそのアーカイブズはいかなる運命をたどったかを、いくつかの代表的な文書館機関あるいは文書コレクションを事例にして、「移動させられたアーカイブズ」(displaced archives)という概念を通して検討する。
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研究成果の概要 |
記録の移動という現象に焦点を合わせ、「在外ロシア」のアーカイバル遺産の蓄積過程とその特徴を検討し、「移動させられたアーカイブズ」という概念は国民的自意識とそれに関わる国民国家観によって左右されていることを再確認した。また、「在外ロシア」の歴史記録の保存過程には制度的・観念的・社会政治的な変容があり、それは諸資料群の分割・再統合を決定づけたことを解明した。国民的自意識の形成に大きく貢献した「在外ロシア」のアーカイバル遺産の研究を通して、「国民的アーカイブズ」及び「ディアスポラ・アーカイブズ」の存在意義を考察し、「記録・アーカイブズの移動や離散」という現象を考えるための論理的な枠組みを準備した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「在外ロシア」の記録遺産を事例にして、歴史記録の「移動」という現象を検討し、記録の「分散」と「再集合」の仕組みや社会的な意義について理解を深めた。本研究は「国民的アーカイブズ」及び「ディアスポラ・アーカイブズ」のもつ意義を際立たせ、国民国家論を超える在外ロシアのアーカイブズの特異性を明示した。「機関アーカイブズ」(institutional archives)が着目されやすい今日、典型的な「収集アーカイブズ」(collecting archives)である在外ロシアの諸機関の構想・活動は収集・保存への姿勢の重要性を物語り、今後のあるべきアーカイブズの在り方への大きなヒントを与えている。
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