研究課題/領域番号 |
19K00954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 幸司 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (30364128)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 土岐氏 / 室町幕府 / 細川氏 / 伝統的外交慣習 / 伝統的対外観 / 大内氏 / 菩提寺 / 大蔵経 / 相良氏 / 博多 / アジア / 港市 / 外交 / 西国 / 地域権力 / 比較 / 中世西国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、15~16世紀における西国の地域権力について、彼らの外交活動への関わり方という独自の指標を導入し、西国の地域権力同士や室町幕府との比較史的考察をおこなうことで、従来とは異なる西国の地域権力の特質を総合的に明示することを目的とする。外交活動は、畿内や東国の地域権力にはない、西国の地域権力のみの独自性といえる。外交活動のありようを加味してこそ、西国の地域権力の総合的な特質を解明することが可能となる。
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研究実績の概要 |
2022年度は、前年度に西国日本の地域権力の外交のありようを相対化するために、畿内以東の地域権力とアジアとの関わり方について、美濃土岐氏と朝鮮との関わり方を事例として、九州大学韓国研究センター主催シンポジウム「中世の日韓交流と対馬海峡沿岸社会」(於・オンライン会議室)において報告したものを活字化し、「美濃土岐氏による大蔵経請来と朝鮮―西日本以外の地域権力と朝鮮―」(森平雅彦・辻野裕紀・波潟剛・元兼正浩編『日韓の交流と共生―多様性の過去・現在・未来―』九州大学出版会、2022年8月)として公表した。 さらに、室町幕府及び幕府周辺の有力大名とアジアとの関わり方について、考察を深めた。具体的には、室町幕府の明・朝鮮・琉球・南蛮との関わり方を比較検討するのと同時に、幕府周辺の有力大名による明・朝鮮・琉球との関わり方を検討した。その結果、室町幕府の異国通交には、従来、主張されているように伝統的な外交慣習(中国とは対等・朝鮮は下位)や対外観(朝鮮蔑視観)が大きく影響していることを再確認した。そのため、幕府は伝統的な外交慣習や対外観に抵触しないように配慮し、仏教という要素をもちいることでその緩衝材としたことなどを指摘した。一方、幕府周辺の有力大名でも、例えば細川氏は日明貿易には執心する一方、朝鮮には無関心であり、琉球とは関わりを持つものの、大内氏のように直接通交をすることはなかったことをあきらかにした。こうした室町幕府及び幕府周辺の有力大名による異国通交の特質を、大内氏に代表される西国の地域権力による異国通交のあり方と比較検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍ということもあり、十分な史料調査などができなかったことが「やや遅れている」ことの直接的な原因である。しかし、一方で関係史料の収集には目途が立っている。ゆえに、本研究の集大成をまとめるためにも、当初予定していた研究期間を1年延長することで、本研究のまとめとなる活動をしていきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の集大成として、「慶弔外交」からみた西国の地域権力と室町幕府にかかる考察を活字化し、学術雑誌に公表することを目標とする。
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