研究課題/領域番号 |
19K00957
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
東 幸代 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (10315921)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ヨシ / ヨシ地 / 内湖 / 琵琶湖 / 史料目録 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、琵琶湖(滋賀県)の内湖(湖の陸地側に存在する小さな湖沼)のうち、最大規模を有する「西の湖(にしのこ)」(近江八幡市)に生息するヨシ(葭・葦)、及びヨシ地の歴史を、ヨシ問屋に残された近世・近代の古文書の調査を通して解明することである。 本研究の中心的検討課題は、ヨシの生産と流通であり、研究期間は、生産面の研究に2年間、流通面の研究に2年間をあて、計4年間とする予定である。また、分析の前提として、ヨシ関係史料を調査し、古文書目録を作成する計画である。
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研究実績の概要 |
研究期間4年目にあたる本年度は、2022年4月16日、同5月21日、同6月18日、同8月6日、同9月17日、同10月22日、同11月19日、同12月17日、2023年1月15日、同2月19日、同3月18日の計11回にわたってヨシ問屋・西川嘉右衛門家(滋賀県近江八幡市)を訪問し、現地で文書蔵の中の古文書調査をおこなった。COVID-19感染予防のため、他機関の研究者の協力をあおぐことがはばかられたが、参加学部生の数は前年度に比して増加した。 調査によって現地で作成した古文書調査カードの情報は、学部生がマイクロソフト・Excelに入力し、古文書目録を作成した。参加学部生の増加に比例して、入力件数を前年度比増とすることができた。 本年度の調査対象の中心は、これまでも調査を続けてきた膨大な数のヨシ・ヨシ製品発注関係ハガキである。これらハガキの情報を分析した結果、明治~大正期の西川家のヨシが、滋賀県の湖北地方におけるヨシ葺き屋根の葺き材として活発に売買されていたことがわかった。滋賀県内各所のヨシ葺き屋根材の調達方法については、従来は不明な点が多かったが、西川家の年間の営業活動と実際の売買成果との関係についても解明できた。また、ヨシが琵琶湖舟運を利用して運搬されていることや、どの港を経由して内陸部の各所に運搬されていたかを具体的に解明できたことも、大きな成果である。研究代表者は、本研究のほかに、琵琶湖舟運史の研究を進めているが、本年度の成果は、今後の琵琶湖舟運史研究にも寄与するものであるといえる。 成果については、一部を論文化したほか、次年度に研究報告をおこなうことになっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的の一つは、調査を通した古文書目録の作成である。本年度に限れば、調査参加人数が回復したことにより、進捗状況が好転した。しかし、前年度までのCOVID-19の影響による調査効率の低下は、古文書目録作成の遅滞を招いており、本年度はそれを挽回することが難しかった。そのため、評価を(3)とした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、引き続き年間予定12回の調査を進めるとともに、成果としての古文書目録をとりまとめる計画である。
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