研究課題/領域番号 |
19K00968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
樋口 雄彦 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60342606)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 旗本 / 明治維新 / 戊辰戦争 / 土着 / 知行所 / 伊豆国 / 農兵 / 幕臣 |
研究開始時の研究の概要 |
伊豆国田方郡牧之郷村(現伊豆市)などに知行地を有した旗本松下家と同地の豪農・名主文書を対象に、幕府倒壊後、一時的に采地への移住・土着を経験した高禄の旗本の多くが、すぐに徳川家の臣籍を離脱し新政府直属の朝臣となることを志向した背景や、その選択を支えた家臣・領民との近世後期からの関係性、明治2年(1869)に領主としての立場を失った後も大正・昭和期まで続いた旧領との交流のあり方などを明らかにする。幕臣の中でも、領主としての顔を持った群小の旗本の終焉を跡づけることは、武士によって担われた封建制・身分制が、新たに迎えた近代社会においてどのように消滅・転化するのかを多面的に目極めるための方法たりうる。
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研究成果の概要 |
伊豆国に知行所を有した旗本松下家を中心とした史料と史実に依拠し、幕府瓦解後、旧幕府によって指令された知行所への土着とそこでの農兵取り立てが、皮肉にもすぐに新政府へ所属替えしたことによって、戊辰戦争における新政府軍の兵力として機能したこと、土着地に根をはることもなく、また土佐藩の後ろ盾がありながらも、版籍奉還によってあっけなく領主としての地位の喪失したこと、一方の旧領民の側では、維新時の領主の土着と農兵としての戊辰戦争への参加が、その後の近代社会でも強く記憶され、長く記録化が続けられたことなどが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近世から近代への移行期において、高禄の旗本という、領主としての性格を持った武士が、いかにしてその地位・身分を喪失していったのか、戊辰戦争下での一時的な知行所への土着が、彼らにとっていかなる意味を有したのか、また領民の側に何を残したのかについて、具体的な史料を通して明らかにすることで、明治維新期の研究に資することができた。 また、研究に主として活用した資料(静岡県伊豆市牧之郷飯田家資料)については、翻刻を行ったほか、本研究に直接関係しない分も含め、伝来した近世・近代資料のほぼすべての整理・目録化を完了させ、書籍として刊行・配布することで、今後の保存・利用面での基礎づくりを行うことができた。
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