研究課題/領域番号 |
19K00981
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
榎本 淳一 大正大学, 文学部, 教授 (80245646)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 漢籍(中国書籍) / 国風文化 / 藤原頼長 / 通憲入道蔵書目録 / 奝然 / 日宋貿易 / 中国書籍(漢籍) / 日本国見在書目録 / 五代・北宋文化 / 漢籍 / 書籍目録 / 古記録 / 漢籍受容史 / 書籍交流史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「国風文化」期(10~12世紀)に舶載された中国書籍の情報を網羅した史料集(データベース)を作成・公開するとともに、「国風文化」期の書籍交流の全体像と実態を解明することを目的とする。書籍目録の分析・検討、史料捜索の時代範囲の拡大、五代・北宋期の書籍の原本調査などこれまでに無い多様な研究手法を取ることにより、より精度の高い研究成果が見込める。また、書籍は様々な文化活動に結びついており、どのような書籍が舶載されていたかを明らかにするという本研究の成果は、平安時代中・後期の思想・諸学・技芸など広く諸分野の研究に裨益するものと考える。
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研究成果の概要 |
平安時代中後期にあたる「国風文化」期における中国書籍(漢籍)の日本への流入状況に関する研究を行った。具体的には、貴族の日記中の漢籍記事の収集・整理、「通憲入道蔵書目録」の写本調査、藤原頼長の「要書目録」の分析・検討、書籍の「未施行」問題の解明などを行い、当該期にも多くの中国書籍が流入していたと思われる痕跡を確認できた。また、関連して「国風文化」期の中国文化の影響を人肉薬やミイラ信仰などからも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、中国文化の影響が薄れたとされる「国風文化」期においても、中国書籍(漢籍)が多くもたらされていたことを明らかにできたことは、当該期の文化理解の常識を覆すことにつながるものと考える。すなわち、「国風文化」期においても中国文化の影響は大きかったことを解明できたと考える。実際、年号勘申や今昔物語集にも中国書籍の影響が確認されるし、死体の一部を薬とする人肉薬や死体を祭るミイラ信仰が中国から導入されていたことは、そのことを大きく裏付けるものである。当該期の文化を、雅で和風の貴族文化という一面的な捉え方から、多様性を持った文化であったという新たな見方に転換させる大きな意義があると考えている。
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