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寺院の文化財を撮影したガラス乾板写真資料の総合的・基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K00988
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03020:日本史関連
研究機関帝塚山大学

研究代表者

鷺森 浩幸  帝塚山大学, 文学部, 教授 (40441414)

研究分担者 服部 敦子  帝塚山大学, 文学部, 客員研究員 (50574042)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード奈良 / 文化財 / 写真 / 仏像 / 日本文化 / 日本古代史 / 観光 / 美術史 / ガラス乾板 / 永野太造 / ガラス乾板写真 / 寺院
研究開始時の研究の概要

本研究は帝塚山大学が所蔵する永野太造撮影ガラス乾板写真資料6934枚を対象とする。この資料は1950年代から70年代に撮影された仏像など文化財の写真である。これらをデジタル・アーカイブ化し、歴史学および美術史学の基礎的研究に貢献し、これまで知られていなかった永野太造の業績を明らかにし、あわせて奈良の寺院のさまざまな文化的な活動を検討することにより、戦後の奈良の寺院の1側面を明らかにし、近年関心の高まってきているガラス乾板の保存、活用についても研究する。これらにより、帝塚山大学が標榜する学際的、総合的な「奈良学」研究を行う。

研究実績の概要

ガラス乾板そのものに関わる研究に加えて、永野が活躍した戦後期の奈良の歴史や文化財、文化に関する動向を考察することが大きな柱の一つであるが、今年度はその領域の研究が主要な位置を占めた。この点で大きな意義を持つと思われる月刊紙『奈良県観光』(1956-1989年)記事のデータベースは研究代表者を中心して進められ、方法は以前と同じく、各号の個々の記事について、属性を調査し、入力することである。昨年度に公開にむけて、正確を期するための再確認の作業や種々の定型的な記述の統一などの作業を行う段階にあったが、本年度、主要な記事を集成した報告書『月刊紙『奈良県観光』記事集成(稿)』(本体190ページ)を制作した。そのなかで、永野太造に関する貴重な情報も得られた。また、1点1点の記事が当時の奈良の文化的な状況全体を示す情報であることが強く感じられた。この点はこれまでと同様である。また、その成果を利用して1960年代の奈良における食生活をテーマとした論考を発表した。永野太造が『奈良県観光』に提供し掲載された写真および、運営を担った吉祥会の活動に関する情報収集を行い、整理を進めた。この成果はこの成果は来年度予定の最終報告書に盛り込む予定である。
研究分担者はガラス乾板そのもののデータベース化を進めた。基本的な骨組みはおおむね完成し、さらに情報を付加し情報量の拡大に取り組む段階となった。また、永野太造に関する資料収集も進め、その整理が進行中であり、この成果は来年度予定の最終報告書に盛り込む予定である。
研究代表者はより大きく奈良(大和)の古代史全体を見通すべく研究を進め、その成果をもとに、一般向けの公開講座(帝塚山大学奈良学総合文化研究所主催 奈良学への招待22 「武内宿祢説話と大和・河内」)を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

永野鹿鳴荘ガラス乾板資料調査の本格的な情報化作業は基本的なデータの蓄積を踏まえて、データ・ベース構築についても成果があった。『奈良県観光』のデータベース化はデータの蓄積から本格的なデータベース化に進み、200ページ弱の報告書を作成することができた。そのなかで、永野の『奈良県観光』への貢献(おもに仏像などの写真の提供)や深い関係も有する吉祥会の活動について継続して情報収集を進め、最終報告書に掲載する見通しが立ってきた。戦後期の奈良の歴史や文化財、文化に関する動向を考察するという課題において大きな進展があり、奈良における活発な文化的活動を見通す基本的な情報整備が進んできた。

今後の研究の推進方策

永野鹿鳴荘ガラス乾板資料のデジタル・アーカイブとしての整備はさらに継続して行う。特にメタ・データの調査・報告をより充実させ、かつ完全な情報を集積するための事業を進めていく(研究代表者)。そのため、すでに蓄積している既刊の『永野鹿鳴荘ガラス乾板資料調査概報』の再確認などの成果を的確に発信していく必要がある。
すでに得られた月刊新聞『奈良県観光』の掲載記事の集成をもとに、概要に留まることなく、より多くの情報を収録した本格的なデータ・ベース化を進め、基本的な研究環境の整備を行う(研究代表者)。詳細なことと引き換えに、大きな情報量となるため、公開の方法は今後、検討する必要がある。さらに、記事に記録された当時のさまざまな状況と現状の比較などが興味深い研究テーマであるが、同時にそれは現在、それらがどのような状態にあるかをフィールドに即して記録することでもある。今後はこの点の研究の充実を図っていく。
以上の諸研究の成果をもとに最終的な研究報告書を作成する。ガラス乾板そのものに関する情報(ただし基礎的なメタ・データはデジタル・データの形式)や『奈良県観光』記事のデータベースなどがその内容となる予定であり、さらにフィールド・ワークの成果なども収録する予定である。また、来年度、葛城市歴史博物館でガラス乾板からのプリントを展示する企画が進行中であり、関係機関と協力のうえ、それを実施する。引き続き、永野鹿鳴荘ガラス乾板資料と帝塚山大学の提唱する「奈良学」研究、戦後の奈良の寺院(研究代表者)・永野太造の業績(研究分担者)などを主なテーマとして、公開講座など、研究成果の発信に努める。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (11件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 一九六〇年代の奈良の食-『奈良県観光』連載「大和味覚巡礼」より-2024

    • 著者名/発表者名
      鷺森浩幸
    • 雑誌名

      日本文化史研究

      巻: 55 ページ: 14-50

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 奈良・平安時代初期の八幡神2023

    • 著者名/発表者名
      鷺森浩幸
    • 雑誌名

      奈良学研究

      巻: 25 ページ: 15-40

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 葛城の味鋤高彦根神の性格と祭祀2022

    • 著者名/発表者名
      鷺森浩幸
    • 雑誌名

      奈良学研究

      巻: 24 ページ: 20-38

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 元禄山陵図の一写本2022

    • 著者名/発表者名
      鷺森浩幸
    • 雑誌名

      日本文化史研究

      巻: 53 ページ: 149-159

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 1960年代の奈良の風景 永野鹿鳴荘ガラス乾板資料から2021

    • 著者名/発表者名
      鷺森浩幸
    • 雑誌名

      奈良学研究

      巻: 23 ページ: 130-138

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 光明皇后・孝謙(称徳)天皇 女性二代2021

    • 著者名/発表者名
      鷺森浩幸
    • 雑誌名

      近畿文化

      巻: 853 ページ: 5-7

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 書評 鈴木琢郎『日本古代の大臣制』2020

    • 著者名/発表者名
      鷺森浩幸
    • 雑誌名

      ヒストリア

      巻: 280 ページ: 59-64

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 身狭の屯倉と蘇我氏2020

    • 著者名/発表者名
      鷺森浩幸
    • 雑誌名

      『奈良学研究』

      巻: 22 ページ: 93-108

    • NAID

      40022230468

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 一九七〇年大阪万博と奈良ー月刊紙『奈良県観光』より-2020

    • 著者名/発表者名
      鷺森浩幸
    • 雑誌名

      『日本文化史研究』

      巻: 51 ページ: 133-146

    • NAID

      40022228010

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 永野鹿鳴荘ガラス乾板資料の整理と撮影画像の特徴について2020

    • 著者名/発表者名
      服部敦子
    • 雑誌名

      『奈良学研究』

      巻: 22 ページ: 123-137

    • NAID

      40022230471

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 播磨国造と播磨直氏2019

    • 著者名/発表者名
      鷺森浩幸
    • 雑誌名

      『続日本紀研究』

      巻: 418 ページ: 21-33

    • NAID

      40022078009

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [図書] 月刊紙『奈良県観光』記事集成(稿)2024

    • 著者名/発表者名
      鷺森浩幸
    • 総ページ数
      190
    • 出版者
      鷺森浩幸
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 古代大和の氏族と社会2023

    • 著者名/発表者名
      鷺森浩幸
    • 総ページ数
      303
    • 出版者
      塙書房
    • ISBN
      9784827313406
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 永野鹿鳴荘ガラス乾板資料調査概報(補遺)2022

    • 著者名/発表者名
      鷺森浩幸
    • 総ページ数
      63
    • 出版者
      本人
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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