研究課題/領域番号 |
19K00993
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 法政大学 (2020-2023) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
鈴木 多聞 法政大学, 国際日本学研究所, 研究員 (70636216)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 宮中 / 天皇 / 空襲 / 占領 / 昭和天皇 / 昭和天皇実録 |
研究開始時の研究の概要 |
『昭和天皇実録』には、人名索引や年譜はあっても、項目の索引はない。また、拝謁時間についても特定できないこともある。本研究では、『昭和天皇実録』を活用し、他の史料とつきあわせて、実証レベルを向上させると同時に、昭和天皇と他の人物の「関係性」に注目する。 一般的にいって、歴史を叙述する際、過去の重要な出来事や、よく知られている人物、あるいは、史料が多く残されている人物に注目が集まりやすい。だが、実際には、昭和天皇は、様々な政治課題を同時に処理しなくてはならなかったし、多くの人物の拝謁を受けていた。このような細部を整理することは、様々な論争を整理することに寄与するだろう。
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研究実績の概要 |
宮中関係者の史料を収集した。なかでも、外国人との関係が深い人物については、個人レベルで個別調査を行った。国内だけではなく、外国のデータベースも利用した。大量に収集した史料は、ファイルやフォルダーに分類して整理し、またパソコンにもキーワードなどを入力して、検索をかけられるようにした。 飛騨高山での史料調査も行った。この点と関連し、戦時下の三種の神器の疎開問題についても史料を収集した。また、愛知県や岐阜県の空襲についても調査を行った。 昭和天皇や宮中に関係する史料を調査するなかで、天皇周辺の経済関連情報について、いくつかの論点を発見できた。その一環として、戦前から戦後にかけての石油関係の史料も収集した。戦時下、海軍は、小型潜水艦で航空燃料を還送する計画をたてており、天皇にも報告が行われていたことがわかった。 上記と関連し、戦時下過大な期待がかけられていた松根油関係の史料も収集した。国民は松根油掘りに駆り出され、多くの回想が残った。占領期にも、松根油を混ぜて使用したともいわれるが、その実態は必ずしも明らかではなく、今後の研究課題の一つであろう。 他方で、物量の不足を精神で補おうという考え方もあり、この点についても史料を収集した。軍需関係の数字にも、精神的な要素が入り込み、政治的な力関係で、生産計画の前提となる数字が決定されるケースもあった。戦後、このような軍事教育やスローガンが、当事者の間でどのように考えられていたのかをパソコンに入力し、必要に応じて利用出来るようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
コロナ禍の影響で十分な史料調査ができなかったが、緊急事態宣言が解除されたことで、史料調査を再開できるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
航空運賃が高騰しているが、円相場を踏まえ、可能であれば、外国での史料調査も行いたい。
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