研究課題/領域番号 |
19K00994
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横田 冬彦 京都大学, 文学研究科, 名誉教授 (70166883)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 庶民日記 / 享保改革 / 八尾寛敬日記 / 家族 / 葬礼 / 公私 / 生活文化史 / 日本近世 / 日記史料 / 読者 / 近世 |
研究開始時の研究の概要 |
享保期は、医療や教育・出版などの新たな政策を通じて近世国家による庶民の生活や身体への介入が始まる時期であり、他方、地域社会にもそうした政策を主体的に受け入れる地域名望家層が成熟していく。彼らはさまざまな日記を付け始めるが、そこではまだ御用と私的生活が未分化で、彼らの行政上の公務から家業、家族、そして個人的精神的営為にいたるまで混然と記載されているものも多く、彼らの生の有り様を全体的につかむことのできる史料である。日本の近代化をになう「儒教的主体」とされる彼らにおける政治的行為への志向性が、日常の生活の中からどのように立ち上がってくるのか、その起点となる近世の状況を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
享保改革期の庶民日記として、当初対象とした数点の研究は継続しつつも、そのうち伊丹の八尾家日記に研究を集中して、成果をまとめることとした。 1、伊丹八尾家日記については、共同研究として、地元の伊丹市立ミュージアムの『地域研究いたみ』に特集号を企画し、年度末に刊行できた。代表者によって、巻頭論文「八尾八左衛門家文書と日記研究」と題し、日記史料の保存公開について、民俗学・社会史研究における意義を明らかにするとともに、特に女子に注目した家族実態の復元を行い、家譜史料と日記史料の相違・関係について考察し、庶民日記研究の新たな方法的問題を提起した。また、本号は代表者によって編集された特集号で、共同研究者によって「日記記主について」「近衛家との関係」「伊丹惣宿老の自治」「俳諧活動」「茶道」などの研究成果をあわせて掲載できた。これらは雑誌としての紙幅の都合もあり、エッセンスになったので、共同研究の全容を明らかにするため、論文に加えて、関係史料の翻刻を含む、科研報告書の刊行を24年度におこなう。 2、大和の無足人山本平左衛門日記については、出産にかかわって論文を発表したが(22020年度)、それにつきさらに本年度は、人口学会、医学史研究会で報告をおこなった。 3、下総佐原の名主伊能景利の日記によって、「近世人の死と葬礼についての覚書」を発表した。これは、本研究の2019年度にオランダのライデン大学での国際シンポジウムにおいて報告したものである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に伊丹八尾家の日記について集約した報告書を作成準備していたが、集約・印刷段階において、雑誌「地域研究いたみ」の特集企画を優先せねばならなくなったので、新史料の確認などもあり、科研報告書の作成は1年延期せざるをえなくなった。本報告書のおおよその作業は終了しているので、24年度には報告書を印刷、刊行できる予定。また、雑誌企画は無事完了したので、遅延というよりは、追加・発展である。
|
今後の研究の推進方策 |
科研報告書につきおおよその作業は終了しているので、24年度には印刷、刊行できる予定。
|