研究課題/領域番号 |
19K00995
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
衣川 仁 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (10363128)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 祈り / 中世宗教 / 霊験 / 武家社会 / 軍記物 / 神仏 / 密教修法 / 中世仏教 / 安穏 / 神威 / 宗教的呪縛 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本中世の宗教を素材に、「個人」と宗教との関わりについて考察する。願望成就等の手段として選択した祈りにより、「個人」が抱いたその願望がどうなったのか、祈りの効果をどう認識したか、またそれに伴い「個人」の信仰はどうなったのかというデータを収集する。中世宗教を基底で支えた「個人」と宗教の関係を把握することにより、日本中世宗教の特質が(国家や社会の面で解明されてきたものとは異なるかたちで)明らかになると考える。
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研究成果の概要 |
本研究では、ある「個人」が抱く(1)願望の内容、(2)成就の手段、(3)祈りの効果、(4)祈りに対する「個人」の受けとめ、(5)その結果による「個人」的信仰の変化、を軸に検討を進め、「個人」的な願望成就の手段としての祈りに武家・寺家という権力体が、一方で抑圧をみせていた歴史的環境について明らかにし、武家社会を構成する武士「個人」に拡張するという課題も浮き彫りとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本中世では公武の政権が願望成就の手段として祈りを選択してきた。その一方で、宗教性を内包する権力支配を下支えする「個人」について考察したことが本研究の意義である。人間社会と宗教との関係は現代においても重要で、日本ではそれが見えにくいが、歴史的考察によって浮き彫りとなった宗教性の特質が、現代社会と宗教との関わりをいかに考えるかの補助線になり得るという点が、もう一つの本研究の意義である。
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