研究課題/領域番号 |
19K00996
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中野 等 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (10301350)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 豊臣政権 / 太閤検地 / 知行制 / 近世国家 / 豊臣家奉行 / 国郡制 / 石高制 / 豊臣秀吉 / 在地社会 / 御前帳 / 朝鮮出兵 / 国内統一 / 知行充行 / 兵農分離 / 石高 / 国制 |
研究開始時の研究の概要 |
豊臣政権の基本政策である「太閤検地」は、一般にもよく知られた概念である。理解の大枠は1950年代の太閤検地論争の延長線上にあり、主として土地制度史上の問題として位置づけられている。しかしながら、近年はその定義についても揺らぎが生じており、その評価については抜本的な見直しが求められている。 しかしながら、太閤検地は第一義的に統一政権が国土の実態を把握し、その生産力を一定の基準で評価・掌握しようとしたものであって、「国家史」的な観点から論ずるべき性格のものと考えられる。そこで本研究は、従前の土地所有論的な観点からではなく、政権の目指す「国制」を踏まえ、「国家史」的な立場からの再定義をおこなう。
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研究成果の概要 |
安良城盛昭氏によって「太閤検地革命説」が唱えられて以降、豊臣政権の基本政策である「太閤検地」は、社会経済史的な側面から説明されることが多かった。この結果、小農自立の実現に代表されるような大きな成果をあげてきた。本研究はこうした理解に疑問を呈し、「太閤検地」の本質を同一基準(石高)によって日本国内の「富」を数値化することにあるのではないかと考え、そうした視点から実証研究を積み上げてきた。国内の「富」は「御前帳」として具現化され、これを基に政権は国替えなどを進め、統一基準による軍役の賦課などを通じて、領主階級の合理的編成をすすめるることとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「太閤検地」は、豊臣政権の基本政策として、中等教育の「社会科・歴史的分野」「日本史」などで必ず取り上げられる最重要概念である。本研究は、この最重要概念に新たな意味付けを行い、農民の自立などに象徴される社会経済史的意義より、知行制の確立などに象徴される政治史的意義が、より本質的なものであるとの結論を得た。研究成果はいくつかの論文にまとめているが、とりわけ一般読者を対象とした『太閤検地-秀吉が目指した国のかたち-』(中央公論新社・中公新書)刊行の意味は大きく。本研究の社会的還元という意味で、非常に意義のあるものとなった。
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