研究課題/領域番号 |
19K00999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
山崎 雅稔 國學院大學, 文学部, 准教授 (40459392)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 菩薩半跏像 / 弥勒信仰 / 弥勒菩薩 / 朝鮮半島 / 金石文 / 半跏思惟像 / 東アジア史 / 仏教 |
研究開始時の研究の概要 |
6~7世紀にかけて日本や朝鮮でつくられた菩薩半跏像については、近年美術史学の見地により、同時期に盛行した弥勒信仰と無関係であり、その像容は弥勒菩薩の図像的表現ではないとする見方が有力になりつつある。しかし、その妥当性に関しては、作例の検討とともに、歴史学が検討してきた造像記などの銘文や文献資料の研究を通した総合的な判断が求められる。そこで本研究では、これまで分析されてこなかった海外所在の菩薩半跏像の調査を通して新知見を獲得し、その成果に基づいて作例の特質を明らかにして、金石文・文献資料の分析とあわせて菩薩半跏像の造像と弥勒信仰の相関性の有無を明らかにする。
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研究成果の概要 |
6~7世紀に朝鮮半島や日本で製作された仏像に、右足を左膝上にのせ、右手指先を頬に添えて思惟する菩薩半跏像(半跏思惟像)がある。本研究では、その像容と弥勒信仰の関係を明らかにするために、(1)『日本書紀』や『三国遺事』など文献資料にみえる弥勒仏・弥勒信仰関係記事の考察、(2)古代朝鮮の金石文(仏教関係資料)の調査・判読、(3)国内外の所在する菩薩半跏像の作例の調査・研究を行った。その像容は、釈迦の若かりし頃(悉達太子)の姿を表現したものとも考えられているが、本研究の成果を通して、当初から弥勒菩薩として造像された可能性が高いとの結論が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
6~7世紀に日本・朝鮮で造像された菩薩半跏像(半跏思惟像)は、従来、弥勒菩薩を表現したものとされてきた。しかし、中国に両者を結びつける作例がないことから、近年では両地域の作例もまた弥勒菩薩を表現したものではないと考えられている。本研究では海外所在の作例の調査を糸口にして、仏像の像容のみならず、文献史料や尊像に刻まれた銘文などの分析をとおして、その妥当性を検討し、旧説のように弥勒菩薩の造像表現である作例を見出した。日本・朝鮮の仏教彫刻は、中国の影響を多分に受けて発達するが、本研究の成果によれば、両地域においてはその一方で独自の造像活動・信仰形態が展開したことを示唆する。
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