研究課題/領域番号 |
19K01001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
大塚 紀弘 法政大学, 文学部, 准教授 (10468887)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 日本中世 / 渡来人 / 日本史 / 中世史 / 国際交流史 |
研究開始時の研究の概要 |
中世日本に中国などの外国から渡来した人々、すなわち日本中世の渡来人の存在形態について考察し、それに関する歴史像を提示する。主に平安時代末期から南北朝時代にかけての中世前期(12世紀から14世紀)に焦点を絞り、渡来人に関係する史資料を網羅的に収集・整理し、渡来の経緯や活動の実態について、時系列に沿って総合的に考察する。特に、日本全国の寺院などに伝来した、渡来人が日本で書写・刊行に関わった典籍を研究対象の中心とする。これらを順次調査・撮影し、書写奥書や刊記に見える年代、出身地、書写地および筆跡に基づいて、渡来人の人物像を解明する。
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研究実績の概要 |
本年度は、当初の研究計画に沿って、①関係史資料の集成・研究、②関係典籍の調査・研究、③研究成果の公表の3つの方向で作業を進めた。 ①としては、第一に、昨年度に引き続き、鎌倉時代から南北朝時代にかけての渡来人およびそれと深く関わる史資料を対象とし、刊本を中心に網羅的に収集した。その際、調査研究報告書に掲載することを念頭に、記載年代や成立年代を基に時系列順に整理した。また、関連する部分あるいは全体の記述を引用するとともに、それを含む史資料の名称と典拠とした刊本の書誌情報を記載した。諸本が存在する史資料については、校訂を加えた。こうした作業に基づいて、出身地、渡来の経緯、活動の時期的な変遷、渡来人の人物像などについて総合的に考察した。第二に、渡来人と深く関わるモンゴル襲来を対象とし、関連史料を収集して研究を進めた。特に、鎌倉の僧侶集団によるモンゴル襲来への対応に着目して考察した。第三に、渡来人とも関係の深い律院と呼ばれる寺院を対象とし、関係史料を収集して研究を進めた。特に、昨年度に引き続き、中世の東海地方にあった律院を網羅的に取り上げ、交通路との関わりを念頭に考察した。 ②としては、鎌倉時代から南北朝時代にかけての典籍を中心しつつ、室町時代以降の典籍まで対象を広げて調査対象を選定するとともに、明版一切経の調査を実施した。また、刊本に基づき、書写場所および渡来人の出身地に関する記述から、それらの所在地について再検証し、これまでに作成した一覧表を改訂した。 ③としては、①で述べた研究成果に基づき、中世の渡来人に関わる論考として、論文「モンゴル降伏祈祷と鎌倉の僧侶集団」を執筆して公表した。また、中世の律院に関わる研究に基づき、「中世東海地方の律院と東海道」と題して発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基本的に当初の研究計画に沿って、研究課題に関連する史資料の集成とそれに基づく研究を着実に進め、研究成果に基づく論文を執筆・公表することができた。しかしながら、資料調査の機会を十分に得ることができず、必ずしも順調に進展しているとは言い難いから。
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今後の研究の推進方策 |
研究課題に関連する典籍の調査・研究を行なうとともに、調査研究報告書の作成に着手して完成させる。本年度は資料調査の機会を十分には得られなかった。そこで、今後は調査研究報告書の刊行を見据えて、綿密な調査計画を練り、対象を絞って資料調査を実施する予定である。
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