研究課題/領域番号 |
19K01002
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
|
研究機関 | 國學院大學栃木短期大学 (2022) 明治大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
大工原 豊 國學院大學栃木短期大学, その他部局等, 准教授 (20641202)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 広域遊動 / 互酬連鎖交換 / 交易 / 情報伝達 / 物資流通システム / 文化圏 / 専業集団 / 型式圏 / 地域内遊動 / 連鎖交換 / 情報聞達 / 縄文時代 / 物資流通 / 文化境界 / 石鏃型式 / 黒曜石流通 / 石鏃の型式構造 / 石鏃の型式変化 / 縄文時代の人口 / 剥片剥離技法 / 縄文石器の編年 / 大形石鏃 / 配石遺構 / 考古学 / 文化圏の境界 |
研究開始時の研究の概要 |
縄文時代においては、多くの文化圏が存在し、その境界には情報伝達や物資流通を阻害する自然障壁と人為的障壁がある。そこでは全ての情報や物資が双方向的に通過するものではなく、一部の情報・物資のみ阻害されるケースもしばしば認められる。また、全く阻害されることなく複数の文化圏を貫いて遠隔地まで及ぶものも存在する。特に、物資の流通では単なる連鎖交換ではなく、専業の交易集団が介在するケースも存在する。そこで本研究では文化圏の境界や接触地帯に焦点をあて、情報伝達や物資流通がどのように行われているのか時空的動態を把握し、流通システムの類型化(モデルの構築)を行い、その発展過程を解明することを目的としている。
|
研究成果の概要 |
縄文社会では遺構の形態差、土器・石器型式の差による文化圏が存在する。その境界は自然障壁と人為的障壁があるが、情報・物資がすべて双方向的に通過するものではなく、その一部が阻害される場合がある。また逆に複数の文化圏を貫いて遠隔地まで流通する場合もある。草創期・早期の遺物分布は、集団の広域遊動の結果である。前期前半には土器型式圏を超えて物資の互酬連鎖交換が始まる。そして前期後葉には交易による物資流通システムが成立する。さらに中期以降には製作・流通の専業化が進み、多くの物資が広域に流通するネットワークが構築される。しかし各種情報は必ずしもこれとは連動せず別の情報伝達システムにより伝播されるのである。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの縄文時代の研究では、同じ型式の遺物の分布が存在した場合、ヒトの動き、モノの動き、情報の動きのいずれなのか検証せず、漠然と捉えて流通論が論じられてきた。その結果、なぜ同一型式・形態の遺物が広域に分布するのかについて、正確に理解しようとする意識が希薄であったと言える。非常に長い時間スケールをもつ縄文時代では、一見すると同じように見える遺物の分布も、時期によって異なる人間活動の結果に帰因するものであることについて、具体的研究事例を蓄積することにより、広く問題提起することができたと考える。本研究が嚆矢となることで、日本の基層文化である縄文文化の流通に関する研究を活性化に寄与することができる。
|