研究課題/領域番号 |
19K01005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 新潟国際情報大学 |
研究代表者 |
吉澤 文寿 新潟国際情報大学, 国際学部, 教授 (30440457)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 日記研究 / 日韓会談反対運動 / 日常史 / 引揚者 / 在朝日本人 / 在日朝鮮人 / 日韓条約 / 日本朝鮮研究所 / 日記 / 吉岡吉典 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は日本朝鮮研究所事務局長が書き残した日記やメモ類の整理及び分析を通して、日韓会談反対運動を下支えした活動家の半生とその思想的基盤を明らかにする作業を軸とすることで、日本で植民地支配を批判する思想が形成される土壌および過程に対する日常史的視角からの理解を目指す。すなわち、(1)同氏が生前に研究代表者に託した日記類を分析するとともに、(2)新潟県内の元参議院議員(故人)の蔵書調査を進め、(3)日韓会談反対運動や日本と南北朝鮮との関係についての研究を参照することにより、日本における植民地主義克服を中心とする平和思想を考察するための生活的および思想的基盤を明らかにしようとするものである。
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研究成果の概要 |
本研究は日本朝鮮研究所事務局長の半生とその思想的基盤を明らかにする作業を軸とすることで、日本で植民地支配を批判する思想が形成される土壌および過程に対する日常史的視角からの理解を目指した。 その結果、(1)同氏が生前に託した日記類の整理を通して、同氏が日本朝鮮研究所を離れる1968年までの活動の軌跡を追うことができた。(2)新潟県内の元参議院議員(故人)の蔵書調査および(3)同氏のライフヒストリーに関わる在朝日本人史、日朝友好運動、在日朝鮮人史に関する先行研究及び関連資料を整理することができた。 これらの調査を元に、研究発表を実施し、同氏のライフヒストリーをまとめた論文を発表することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は近年のライフヒストリーに注目する研究動向を追いながら、社会運動に参画した人物に注目した歴史叙述を模索した。本研究では、日本朝鮮研究所初代事務局長が抱いた「朝鮮」のイメージについて、(1)生まれ故郷としての原風景の「朝鮮」、(2)社会運動に関与しながら獲得した、平和を希求する人民としての「朝鮮」、そして、大学生活以後に交流した人間関係を通して学んだ「朝鮮」と整理した。これらの「朝鮮」のイメージが道標となり、同氏は日朝友好運動の活動家への道を選んだのである。 このような「小さな物語」は、通史などの「大きな物語」に絡めて論じることで、歴史叙述を豊かにすることができる。
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