研究課題/領域番号 |
19K01008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
長友 朋子 (中村朋子) 立命館大学, 文学部, 教授 (50399127)
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研究分担者 |
中村 大介 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (40403480)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 窯技術 / 中国辺縁部 / 土器生産体制 / 漢 / 朝鮮半島 / 日本列島 / 窯 / 技術拡散 / 土器生産 / 東アジア / 考古学 / 窯集成 / 古墳時代 / 土器生産の変化 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで共同研究を行ってきた研究協力者とともに、焼成温度分析を行い、土器や瓦から窯技術の差異を示す。また、胎土分析と考古学的分析により流通範囲を解明することで、技術拡散か器物流通かの区分を明確にする。朝鮮半島では初期窯の事例が少ないので、窯と窯焼成陶器が判明する中国資料を参考に、焼成温度から窯構造を推定したい。一方、窯構造や土器の研究は、日韓両国でそれぞれ蓄積されているものの、専業化と政体との関係については、陶邑窯や新羅の慶州など、大規模な窯群で考慮されるのみで希薄である。窯を単なる技術伝播ととらえるのではなく、政体との関連に注目し、窯技術拡散と土器生産体制の変質を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、東アジアの窯を分類し、漢の領域拡大とともに拡散する窯技術の系譜を明確にした。特に内的発展と理解される傾向にある朝鮮半島の窯が、中国北部の平窯の受容後に中国南部の穴窯の影響で長胴化し、地域差が顕在化することを強調した。この過程で、日本列島の窯が伽耶の窯の系譜と判明した。また、朝鮮半島の土器生産体制は、大規模窯群、集落内小規模窯、野焼き土器製作村が併存することを踏まえ、日本列島の中央政権の管理する陶邑窯は、大規模窯群の工人が渡来した可能性が高く、地方窯へは集落内小規模窯を営んだ集団が渡来した可能性が高いことを示した。これらの成果を含め、各国の最新研究成果を編集し書籍を刊行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
各地域(国)で研究されていたために全体像の見えにくかった窯について、先学の研究を基礎に分類し系譜を明確にしたことは、漢の領域拡大とともに拡散する技術系譜の解明において重要な意義がある。また、古墳時代の窯技術が伽耶に由来し、中央政権と地方政体とで受け入れた渡来集団が異なることは、伽耶からの技術者渡来の明確化とともに、地方が一定の自立性を保って渡来技術を受容しえたと理解でき、古墳社会の理解に貢献しうる。また、東アジアおよび北アジアの窯技術と政体に関する研究成果の英語書籍刊行は初めてであり、窯研究や東アジアの古代に関する国際的研究の発展に寄与しうる大きな成果といえる。
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