研究課題/領域番号 |
19K01012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
黒田 卓 東北大学, 国際文化研究科, 名誉教授 (70195593)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | イラン / 近代史 / ムスリム知識人 / 旅行記史料 / グローバルヒストリー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、主に19世紀イランまたはイラン系の知識人たちが近代世界とどう向き合ったかを、欧米だけでなく明治期日本も含めてその現場感を可能な限り再現する意図で、主として旅行記史料を用いて解明を進める。併せて、明治期日本人がイランを同時期にどのように認識したかもサブテーマとし、旅行記史料を主要ソースとしその特徴を抽出する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、19世紀から20世紀初めにかけてペルシア語で著された旅行記を史料に、ペルシア語を日常語とするイラン系知識人の近代性(モダニティ)に対する認識や表象が18世紀後半からどのように変化してゆくのか、また日本をこの研究課題に組み込むことで、より広域に彼らと近代世界との遭遇の在り方の共時的な相違も併せて考察することにした。 今年度も新型コロナの感染拡大状況から海外調査はやはり断念せざるを得なかったが、年度後半から感染症拡大状況にやや落ち着きが見られるようになったことから、国内(京都)で開催された国際ラウンドテーブルで研究成果の発表を英語により対面で行った。また東京外国語大学アジアアフリカ言語文化研究所にて開催されたイラン研究会年次大会には出張し近況報告を行うとともに、(財)東洋文庫現代イスラーム研究班のイラングループ研究会ではオンラインで研究発表を行った。 昨年度から本研究課題のいわば「まとめ」として取り組んできたメヘディーコリー・ヘダーヤトの人物史と彼を取り巻く家族史および近代世界への認識に関わる考察を、今年度からシリーズ刊行が始まった『アジア人物史』第9巻(集英社)に掲載予定の論稿として完成させた(現在校正段階、来年度中に刊行)。本論稿は、今まで未開拓の人物が激しく揺れ動く近代イランの歴史のなかで、洋の東西と支配エリート・民衆の狭間でどう格闘してきたかを詳細に跡づけたものである。また、出版は2026年予定とのことであるが、キリスト教大事典編集委員会からの依頼で、同編『新版キリスト教大事典』(教文館)に項目「バハーイー教」を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内外の調査や発表のための出張が年度前半に不可能になり、そのため予定していた海外調査はできなかったが、後半には研究会や学会に対面で出席し発表することで、オンラインではなかなか難しかった、率直で掘り下げた質疑や交流ができ、また完成を目指していた論稿もほぼ目途がついたので、やや研究課題の進捗状況は持ち直しつつあるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
コロナが落ち着きつつあるものの、イランの国内情勢は今年度もそうであったが、来年度も予断が許さないものがある。情勢の推移を注視しつつ、イランの図書館・文書館での調査を秋ぐらいに実行したい。また、集英社の『アジア人物史』掲載の論稿は校正も含め完成させるよう努める。
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