研究課題/領域番号 |
19K01013
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡 洋樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00223991)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | モンゴル / 清朝 / 駐防官 / 遊牧民統治 / 中国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、清朝がモンゴル各地に派遣して駐在させた駐防官の統治上の役割を、具体的な処理事務の事例を通じて解明しようとするものである。従来駐防官については、清朝の法制資料による制度的な研究が蓄積されてきたが、それぞれが管轄したモンゴル盟旗との間でどのような役割を果たしていたのかについては、十分に明らかにされていない。そこで本研究では、黒龍江将軍、寧夏駐在の理藩院司員、帰化城都統・副都統という三駐防官衙を取り上げて、研究を行う。この研究により、清朝のモンゴル遊牧民統治の特徴を、清朝とモンゴルの統治上の接点において解明することが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、清代モンゴル文文書資料を用いて、外藩モンゴルの盟旗と清朝駐防官衙との間の行政事務処理様態を事例的に研究した。内モンゴル・オルドス・イヘジョー盟ハンギン旗を事例として、同治年間の同旗の来文目録及び来文档冊を用いて、同旗の文書処理態勢、来文の月平均数、来文の発出衙門の分布および来文送達にかかった日数を解明した。この結果、この時期の旗の文書行政は、基本的に上部の盟長と垂直的な関係により運用されており、隣接旗や清朝の駐防官衙門との直接的な文書往来は限定的だったこと、また文書を受理する衙門も盟内諸旗と直接隣接する旗に限られたこと、文書送達には10~20日程度の時間を要したことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
清朝は、200年以上にわたりモンゴル遊牧民に対して安定的な統治を実現した。これを支えたのがモンゴル文による文書行政である。本研究では、清末同治年間の内モンゴル・オルドス・イヘジョー盟ハンギン旗の文書を用いて、清の文書による地方行政統治の様態とその特徴を事例的に検討することを通じて、中国における民族統治の歴史的様態を実証的に明らかにした。
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