研究課題/領域番号 |
19K01015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
野田 仁 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (00549420)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 革命 / 中央アジア / 移民 / カザフ / 新疆 / クルグズ / ドゥンガン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ロシア帝国末期の中央アジアにおける「1916年反乱」について、その過程で発生した、東に隣接する中国新疆への逃亡者に焦点を当てる。彼らの処遇・送還をめぐるロシア・中国間の交渉、彼らの流入が中国国内の住民に与えた様々な影響を分析し、この反乱の広域的な意義を再検討することを目的とする。ロシア側の記録のみならず、中華民国側の史料と対照させることによって、中国国内の事情、中国領内(とくに新疆)への1916年反乱の影響を分析に組み込み、その後の新疆における政治的混乱状況の構造・要因を明らかにするための前提とすることも視野に入れている。
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研究成果の概要 |
本研究は、ロシア領中央アジアにおける「1916年反乱」の過程で発生した、隣接する中国新疆への逃亡者について、露・中の資料のみならず、新疆に勢力を展開しようとしていた英国の視線も加えつつ広域的に分析し、以下の点を明らかにした。第一次大戦下のドイツやトルコは中央アジアに関心を寄せ、新疆へ人員を派遣した。外部からの来訪者について、英露の駐カシュガル領事館が新疆当局に伝達していた。独・トルコのファクターや中国の秘密結社の反乱への影響は、ロシア当局の責任転嫁や過大評価により、誇大に喧伝されていた。その結果、実質を伴わないムスリム・ネットワークの虚像が、英露および中国の前に見えていたことになる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国外での研究集会において報告を行うことで、海外研究者からのコメントを取り入れたうえで、成果をまとめることができた。本研究が取る、中国側からの視線を交えて1916年反乱を研究することはこれまでの研究にはほとんど見られなかった手法であり、今後の研究状況に与える影響は少なくないと考えられる。
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