研究課題/領域番号 |
19K01020
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
伊藤 正彦 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (50253711)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 魚鱗図冊 / 記載様式 / 里=図 / 地理的空間 / 事産把握 / 賦役黄冊 / 現地調査 / 湖州路戸籍 / 小黄冊 / 紙背文書 / 元代湖州路戸籍文書 / 徽州府休寧県 / 張居正の丈量 / 里の地理的空間 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,中国税役制度史上の一大画期である張居正丈量で作製された一つの県(徽州府休寧県)の魚鱗図冊の記載様式を網羅的に明らかにするものであり,また現地での聞き取り調査等をもとに明代の里の地理的空間の把握,魚鱗図冊の記載の精度の検証を行なう。これらは従来にはない魚鱗図冊の研究手法である。獲得した知見をもとに,通説的理解に代わる魚鱗図冊の性格理解を試みるが,それだけにとどまらず,本研究はかつてない実証水準の中国農村社会史研究の一環でもある。
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研究成果の概要 |
本研究は,明清期徽州の魚鱗図冊の記載様式,明代の里=図の地理的空間,魚鱗図冊による事産把握の変化を探ることによって,魚鱗図冊の新たな性格理解をめざしたものである。だが,2019年末以来,COVID-19の感染拡大によって中国での資料閲覧・現地調査ができない状況がつづいたため,目標に達し得なかった。とはいえ,同一地点における明初洪武丈量の魚鱗図冊と万暦9年丈量の魚鱗図冊の記載データを分析し,現地調査を行なえば明代の里=図の地理的空間,魚鱗図冊による事産把握の変化を明らかにできる条件を整えた。また,近年取り組んできた休寧県27都5図の農村社会研究の成果を学術書として出版する準備を整えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
同一地点における明初洪武丈量の魚鱗図冊と万暦9年丈量の魚鱗図冊の記載データをもとに明代の里=図の地理的空間を把握することは,まったく初めての試みであり,その準備を整えた意義は大きい。また,私が近年取り組んできた休寧県27都5図の農村社会研究は,明代の賦役黄冊・魚鱗図冊文書の記載を活用した初めて試みであり,その成果を学術書として出版する準備を整えたことの意義も大きい。活用した賦役黄冊・魚鱗図冊文書のなかには閲覧困難な稀見のものが含まれており,それを資料篇に収めて公開する予定であり,これによって世界の中国史・中国経済史研究に大きく貢献するはずである。
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