研究課題/領域番号 |
19K01028
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
毛利 英介 関西大学, 東西学術研究所, 研究員 (10633662)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 金 / 南宋 / 三朝北盟会編 / 靖康稗史 / 紹興甲寅通和録 / 劉豫 / 契丹 / 遼 / 北宋 / 女真 / 靖康の変 |
研究開始時の研究の概要 |
初期の金宋関係に関する根本史料である『三朝北盟会編』所収史料の詳細な検討を通じて、靖康の変前後の金宋関係に関する研究を深化させる。具体的な検討対象としては、(1)「宣和乙巳奉使金国行程録」・(2)「紹興甲寅通和録」・(3)「紹興講和録」を想定する。これらはそれぞれ1125年・1134年・1142年の事象、即ち靖康の変以前の金宋友好期・靖康の変後の金宋戦争期・靖康の変後の和平交渉期について記しており、靖康の変前後の金宋関係を研究するにあたって重要かつ特徴的な史料である。
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研究成果の概要 |
本課題では南宋代成立の史書『三朝北盟会編』を主要な研究対象とした。その研究成果は大きく二つに分かれ、一つは具体的なテーマに関する成果であり、もう一つはより基礎的な書誌学的テーマに関する成果である。前者としては『紹興甲寅通和録』を利用した劉斉をめぐる国際関係に関する成果があり、後者としては文瀾閣本『三朝北盟会編』と『靖康稗史』に関する基礎的な研究がある。またその他に、『三朝北盟会編』をめぐる近年の史料状況の激変について言及した学界動向も執筆した。新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い当初想定した海外調査は出来なかったが、全体として想定どおりかそれ以上のバランスの取れた成果を挙げたと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では南宋代成立の史書『三朝北盟会編』を主たる研究対象とした。同書は北宋末から南宋初における対金関係を叙述しており、かねて当該時期の研究における根本史料と評価されて来た。だが扱いに難しさがあることから、従来十分に使用されているとは言いづらい。本研究ではかかる特徴を有する『三朝北盟会編』に対して、近年の史料状況の変化を踏まえつつ関連の基礎的検討を行った。これは今後の同書の利用、延いては宋・遼・金代史への貢献として学術的意義を有するほか、同書が近代において刊行・流通する際の背景には近代中国のナショナリズムも存在することから、現代中国を見るための基礎的情報として一定の社会的意義も有する。
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