研究課題/領域番号 |
19K01029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
長峰 博之 小山工業高等専門学校, 一般科, 准教授 (00825672)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ジョチ・ウルス / ジョチ・ウルス後裔政権史料 / 歴史認識 / モンゴル帝国 / ジョチ・ウルス(ジョチ朝) / ジョチ朝(キプチャク・ハン国) / 後期ジョチ朝諸政権史料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、後期ジョチ朝(キプチャク・ハン国)諸政権史料の研究によりジョチ朝(モンゴル帝国)の解体・再編史を再構築し、世界史像の再構築にも資することである。これらには、遊牧社会の口承伝承や政権内部の情報に基づくモンゴル帝国時代に関する歴史的知識や、遊牧社会内部の歴史認識が含まれている。本研究では、写本調査に遡ったこれらの研究によりモンゴル帝国時代に関する歴史的知識を抽出する。また、その歴史認識の分析により、後代がいかにモンゴル帝国時代を認識していたか、チンギス家(ジョチ家)の権威がいかに保持され、あるいは変容したか、ジョチ家の「宗主権」がいかに継承されたと認識されていたかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、ジョチ・ウルス後裔政権史料の文献学的研究および写本調査により、モンゴル帝国時代に関する歴史的知識を抽出すること、また、後代がいかにモンゴル帝国時代を認識していたか、チンギス家/ジョチ家の権威がいかに保持され、あるいは変容したかを明らかにすることにある。 おもな成果として、ジョチ・ウルス後裔政権史料がラシード『集史』とティムール朝史料(『勝利の書』)を融合したテュルク・モンゴル伝承を受け継いでいたこと、また、「ジョチ家/ジョチ・ウルス」への帰属意識が保持され、これら諸史料がジョチ・ウルスの解体を、ジョチ家内のトカ・テムル家とシバン家諸王統による再編と認識していたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歴史研究において同時代史料が第一級の価値を有することは言うまでもないが、周知のように、ジョチ・ウルス(モンゴル帝国)内で著された同時代史料はきわめて少ない。 しかし、16 世紀以降、ジョチ・ウルス後裔政権内部において独自の情報を含む史料が著される。本研究の学術的意義は、これらの史料からモンゴル帝国時代に関する独自の歴史的知識を抽出したこと、その歴史認識の分析からジョチ・ウルスの後代への影響および後代がジョチ・ウルスをどのように認識していたかを明らかにしたことにある。これにより、これらの史料の新たな可能性を示した。また、モンゴル帝国時代とその後の「不連続性」を強調する歴史観の再考にも寄与した。
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