研究課題/領域番号 |
19K01030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 東京大学 (2022) 東京外国語大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
苅谷 康太 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (70634583)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | イスラーム / 西アフリカ / 初期ソコト・カリフ国 / ジハード / 奴隷制 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、19世紀初頭にジハードによって成立したソコト・カリフ国において、イスラーム知識人のウスマーン・ブン・フーディーを頂点とした支配層が、同国の成立につながった自らのジハードと、同国の政治・経済・社会を支えた奴隷制という2つの「暴力」を正当化するため、どのような先達の見解に依拠し、またそうした見解に基づき如何なる論理を構築したのかを明らかにする。これを通じ、西アフリカから西アジアへと広がるムスリムの歴史的な知の連関網の一部を解明すると同時に、そうした連関網を通じて受容された知が、イスラーム法を統治の軸としたソコト・カリフ国の「暴力」の理論化と合法化に如何に結びついていたのかを明らかにする
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研究成果の概要 |
本研究では、19世紀初頭に軍事ジハードを通じて成立した西アフリカのイスラーム国家、ソコト・カリフ国において、イスラーム知識人のウスマーン・ブン・フーディーを頂点とした支配層が、同国の成立に繋がったジハードと、同国の政治・経済・社会を支えた奴隷制という2つの「暴力」を正当化するために、どのような先達の見解に依拠し、またそうした見解を利用して如何なる論理を構築したのかを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の研究は、ソコト・カリフ国の成立と展開の要となったジハード及び奴隷制という2つの「暴力」の思想的・知的基盤が如何なるものであったのかを十分に検討してこなかった。これに対して本研究は、ウスマーンのアラビア語著作群の分析を礎に、この思想的・知的基盤を明らかにした点で大きな学術的意義を有しており、更に、西アフリカの知識人が西アジアや北アフリカといった他地域の先達の知を巧みに再編して自らの主張の正当化に利用していた様相を具体的に明らかにしたことで、西アフリカから西アジアに至る広域イスラーム圏の知的影響関係の在り方に関する新たな批判的知見の獲得に繋がった。
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