研究課題/領域番号 |
19K01041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
柳澤 明 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50220182)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 清 / ロシア / 外交 / 翻訳 / コミュニケーション・ギャップ / 中国 / 媒介言語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず基礎作業として、17世紀から1860年の北京条約に至る清朝-ロシア間の外交関係について、根本史料である両国間の条約・協定と外交書簡の網羅的データベースを作成する。次に、多言語テキストの存在する文書について、各言語間の内容の差異を検出し、特に清側に関して、差異が生じた原因を、言語能力・翻訳技術と意図的操作の両面を視野に入れて解明する。さらに、こうした翻訳上の問題が実質的な外交交渉に及ぼした影響についても検討を加える。
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研究成果の概要 |
基礎作業として,17~19世紀の清-ロシア間の外交書簡をデータベース化し,それに基づいて翻訳とコミュニケーション・ギャップの実態を検討して,以下の知見を得た。第一に,媒介言語としてのラテン語とモンゴル語には,明確な役割の相違があった。第二に,18世紀前半の清側のロシア語翻訳には,能力不足や意図的な改竄・省略が顕著に見られた。第三に,1708年に設立された内閣俄羅斯文館は,通説とは異なり,外交現場で活動する一定数の翻訳者を輩出した。第四に,19世紀に両国間で結ばれた諸条約には,各言語のテキスト間の異同が従来言われている以上に多く存在し,それが実体的な外交上の紛争を引き起こす例も見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,近世~近代における日本を含むアジア諸国の対外関係に普遍的に存在したと考えられる「翻訳」の問題を考える上で,ひいては広く異文化接触におけるコミュニケーション・ギャップの問題について考える上で,有用な材料を提供しうるものと信ずる。
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