研究課題/領域番号 |
19K01045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
矢澤 知行 近畿大学, 国際学部, 教授 (60304664)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | モンゴル / 元代 / 江南 / 社会経済 / 海運 / 綿業 / 社会経済史 / 新興商人 / 元朝 / 両浙 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,14世紀初頭から中葉にあたる元代の中~後期,江南の中心に位置し,産業の多様化が急速に進んだ両浙地域において,経済的な実力を蓄えるようになった新興商人の実像を探ることにより,モンゴル政権下の中国江南社会経済の動態を解明しようとするものである。そして最終的には,宋代から明清代にかけての江南地域の質的連続性や,元代江南社会の特質とそのユーラシア世界史上の意義を考えることを目標としている。
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研究成果の概要 |
本研究では,元代の中~後期の両浙地域における諸産業のうち,綿業と海運に着目して分析することにより,モンゴル政権下の江南社会経済の動態について考察を行った。綿業については,長江デルタ地域における展開をさまざまな角度から検討した。一方,海運については,それを担った船戸や新興商人を含む地域エリートの具体像を探るとともに,海運運営体制の展開過程を5つの時期に区分し,それぞれの特徴を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
モンゴル元代の海運についてその歴史的評価を示すことができた。中国史の枠組みのもとでは,南北中国を経済的に一体化させる新たな選択肢であると同時に,内陸水運や塩政ともリンクしつつ財政を支える物流ネットワークの主要幹線としての側面を持っていた。視野をユーラシア規模に拡大してみると,モンゴルの海洋政策のもとで南海貿易と接続していた江南地域を,さらに北方の大都へと接続する役割を果たしたと評価できる。この海運事業において重要な役割を果たしたのが,元代中後期の両浙地域における新興の船戸や商人であった。
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