研究課題/領域番号 |
19K01055
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
藤井 真生 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (70531755)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 中世君主 / チェコ / 聖人崇敬 / 中世チェコ / 宮廷文化 / 図像学 / 王権 / 中世 / ヨーロッパ / 君主 / 聖人 / 図像 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、君主の聖人崇敬とその表現方法の分析を通じて、中世ヨーロッパの国王の政治的課題、統治理念を明らかにすることを目的とする。その際、政治史的国王研究、聖人崇敬研究、君主宮廷研究、象徴的儀礼研究の成果を相互に参照しつつ、多角的に考察する。 具体的には、14世紀に神聖ローマ皇帝とチェコ王を兼任したルクセンブルク朝カール4世を取り上げる。巡行支配(証書類)、聖遺物収集(証書・年代記類)といった文字史料だけではなく、首都・居城建築の装飾などの図像も資料とし、聖人表現をめぐる絵画・建築史(美術史、図像学)の成果も援用しつつ考察を進める。
|
研究成果の概要 |
ルクセンブルク家カール4世を事例として、中世君主の聖人崇敬から政治的課題、統治理念、信仰世界の解明を試みた。年代記に記録されたカールの聖遺物収集の傾向から彼の意図を考察し、併せてカルルシュテイン城の聖十字架礼拝堂の壁画群における聖人君主の選択理由を分析した。彼が、壁画の中心に置いたカール大帝に自らに準えつつ、イングランドや北欧、ハンガリー、アルルなどの聖人君主を配置し、チェコ及び帝国を中心とした東西南北世界に君臨するイメージを描いていたと結論した。また、そうしたカールの聖人崇敬に伴う諸々の行為が、当該領邦の支配階層を構成する貴族や聖職者の政治的活動に与えた影響を、前王朝と比較しつつ検討した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中世ヨーロッパの君主の政治的課題や統治理念を、①方法論的には、近年の美術史研究の成果を取り込みつつ、宮廷儀礼空間を装飾する聖人画群から検討したこと、②その成果として、年代記などの叙述史料には記録されづらい君主の世界観(天上に準えた地上世界)および、その中での自身の位置づけ(地上世界の中心に君臨する皇帝像)を明らかにしたこと、その2点に学術的な意義がある。
|