研究課題/領域番号 |
19K01057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 立命館大学 (2021-2022) 広島大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
薩摩 真介 立命館大学, 文学部, 准教授 (70711125)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | イギリス / スペイン / 海洋紛争 / 貿易 / 航行権 / 法 / 掠奪 / 海軍 / 植民地 / 政治 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、1710年代後半から英西間で生じていたスペインの沿岸警備隊による英商船の拿捕問題をめぐる対立が、どのようにイギリスで議論され、その政治・外交政策にいかなる影響を及ぼし、ひいてはそれがいかにして1739年のジェンキンズの耳戦争につながったのか、またこの時の対立や議論がカリブ海域における貿易や掠奪行為を統制する海上の法秩序の成立にいかなる影響を与えたのかを解明することである。ジェンキンズの耳戦争自体はこれまでも研究されてきたが、本研究はその主な原因となった拿捕問題に焦点を当て、海洋における法秩序の形成という問題意識のもと、その背景や影響を実証的に分析するところに特色がある。
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研究成果の概要 |
本研究は十八世紀半ばの大西洋世界における英西間の対立、とくにジェンキンズの耳戦争(1739)の原因となったスペイン沿岸警備隊による英商船拿捕問題に焦点を当て、貿易権や航行権、掠奪統制等をめぐる英西間の対立やイギリス内での議論や利害対立の諸相を明らかにし、それらが如何にして掠奪や経済活動を統制する法制度の整備や諸条約締結につながったかを解明することを目的としていた。しかしCOVID-19の世界的拡大により大幅な計画変更を余儀なくされ、予定していた海外での文書館調査も部分的にしか行えなかったため、オンライン史料集の購入等の代替手段により研究を継続した。その成果の一部は現在査読誌に投稿中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、従来は政治・外交史の文脈で扱われることの多かったスペインによる英商船拿捕問題を、海洋における法秩序形成という問題意識から実証的に分析するという点にある。またこれまで研究が手薄であった1710年代後半から30年代前半も分析対象とする点も本研究の意義と言える。上述の理由で研究期間中には成果を十分な形にはできなかったが、このような十八世紀半ばの英西間の海洋紛争の発生過程やその背景の分析を通じて、英西間の紛争を契機として、いかにしてヨーロッパ的法秩序が近世大西洋世界において構築されていったかを解明することは、現代における海洋での法秩序形成のプロセスを考える上でも有益である。
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