研究課題/領域番号 |
19K01062
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
|
研究機関 | 東京大学 (2021-2023) 上智大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
藤崎 衛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50503869)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 代理 / 代表 / 中世 / 教皇権 / 使節 / 教皇 / 教会 |
研究開始時の研究の概要 |
「代理」および「代表」という行為は、人文学や社会科学において広く研究の対象となりえ、問題意識を共有しうる。本研究は、西洋中世という固有の地域と時代において「代理」や「代表」ということがどのように考えられ、どのように実社会で機能したのかを、教皇権を具体的な事例として考察する。中世は、教皇が使徒またはキリストの「代理」とみなされ、教皇が代理人である使者を派遣し、公会議主義のような「代表」に関する独自の概念が練磨された時代であった。これら教皇権に関連する代理および代表についての思想と制度を総合的にとらえる試みは、国内外を問わずこれまで皆無であるため、本研究は学術的新機軸を提示する可能性がある。
|
研究成果の概要 |
西洋中世の代理及び代表の思想と制度について主に教皇を事例に検討を行った。思想面に関しては、教皇の称号や普遍的教会及び個別的地域教会がどのような表現されたかを跡付けることで、中世初期から末期にかけての思想的展開を把握することができた。制度・実践面に関しては、特に13世紀に教皇によってモンゴルへ派遣された托鉢修道士らからなる宣教団の「教皇の代理」としての側面とその具体的活動を教皇文書の分析を基に明らかにし、その成果を日欧の言語による口頭発表や論文の形で公表した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人文学・社会科学において関心を共有しうる「代理」及び「代表」という問題について、西洋中世の教皇権を中心に考察を深め、宗教的権威者の権限の委任がどのように行われていたのかを主に二つの成果において明らかにした。第一に、11世紀以降の教皇使節の活動を、教皇権の強化・拡張と関連付けつつ理論面と実践面の双方から具体的に解明した。第二に、13世紀半ばから14世紀初頭にかけて教皇がモンゴル諸勢力に派遣した外交・宣教使節の活動について、使節の供給源となった托鉢修道会の特徴と関連付けつつ具体相を描き出した。
|