研究課題/領域番号 |
19K01065
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
|
研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
上田 耕造 明星大学, 教育学部, 教授 (10760621)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | ブルボン公 / 中世後期フランス / 近世フランス / フランソワ1世 / ブルボン公シャルル3世 / フランス王 / 諸侯国家 / 遺言書 / 中近世フランス / フランソワ1世 / 諸侯 / 王権 / シュザンヌ・ド・ブルボン / カール5世 / アンヌ・ド・フランス / フランス王権 |
研究開始時の研究の概要 |
15世紀末から16世紀初頭のフランスにおける諸侯と王権との関係を、フランスにおける貴族層再編の動きや、当時のヨーロッパ内の政治状況に着目しつつ考察することで、この時期特有のフランス政治及び国制のあり方を明らかにする。 1523年にブルボン公シャルル3世は、所領をめぐってフランス王フランソワ1世と対立し、神聖ローマ皇帝カール5世のもとに逃亡するのだが、この出来事により、中世後期から続く諸侯と国王との対立に最終的な決着がつけられたとされる。本研究では、これを単なる王権拡大の一場面として捉えるのではなく、様々な視点から捉え直し、より立体的に当時の諸侯と王権との関係を浮かび上がらせていく。
|
研究成果の概要 |
15世紀から16世紀初頭にかけて、ブルボン公は王権の勢力下に取り込まれていく存在とされる。こうした見解に対して、本研究では、ブルボン家財産継承の場面に焦点を当て、そこでの両者のコミュニケーションから、当該期における両者の関係を明らかにしようとした。 1400年にブルボン公は、所領の拡大を王に認めてもらうべく、直系男子の後継者が断絶した際、全ての所領を王に委譲する約束した。しかし、この約束は守られなかった。両者の政治的な立場や利害を踏まえた上で先の約束は変更され、所領は直系から傍系へ、男系から女系へと継承されていった。以上から、両者の関係は単純な支配・被支配の関係ではないことが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中世後期のフランスは、近世における絶対王政確立に向けた過渡期と位置づけられる。こうした見解のもと、中世後期において王権は拡大する一方で、諸侯勢力は衰退し、王権の統制下に組み込まれていくとされる。本研究で明らかにしたのは、当該期において諸侯は王権の拡大に対して抵抗する力を保持していたこと、また、中世後期から近世初期にかけてのフランス王国は、こうした諸侯とフランス王とが、コミュニケーションをとり、両者の立場や権利を確認し合う形で一つのまとまりを維持していたことを明らかにした。本研究の成果は、従来の中世後期フランス国制の捉え方に変化を促し、ひいては近世の絶対王政の捉え方にも影響を及ぼすであろう。
|