研究課題/領域番号 |
19K01068
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 奈良女子大学 (2020-2022) 摂南大学 (2019) |
研究代表者 |
林田 敏子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (10340853)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 西洋史 / イギリス史 / 第一次世界大戦 / 博物館 / ジェンダー / 語り / 歴史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はイギリスのジェンダー構造に大きな変化をもたらした第一次世界大戦を、戦争博物館という媒体を通して考察しようとするものである。大戦期に設立された戦争博物館は、戦争の記録を集積するアーカイヴであり、国民の戦時貢献を顕彰する「記憶の場」であると同時に、大戦の歴史を紡ぎ、それを発信する「劇場」でもあった。1910年代、30年代、70年代、90年代と4つの時間軸を設定し、博物館が果たした機能を多角的に検証することで、大戦と女性をめぐる記憶や歴史の構築過程を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、第一次世界大戦中に考案された戦争博物館を、史料を集積する単なる「箱」ではなく明確な目的をもった「装置」ととらえ、コレクションや展示が「つくられる」過程のなかに、大戦が記憶化/歴史化されるプロセスを探ろうとするものである。戦争博物館は、同時代においては戦意の発揚や犠牲者の追悼といった機能を果たし、戦後も長く史料を収集することで、各時代の歴史観を反映した大戦像を創出、発信する「劇場」として機能した。博物館の運営やコレクションに関する史料の分析によって、展示される「客体」としての女性だけでなく、女性に関するコレクションや展示をつくる「主体」としての女性の姿が浮き彫りになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦中から戦後の約1世紀を視野にいれたことで、戦争博物館という場で大戦の記憶や歴史が創出され、時代の変化とともに書き換えられていくプロセスを追うことが可能となった。とりわけ、コレクションの蒐集や展示に関わった女性委員会の活動からは、「女性が女性の歴史を紡ぐ」上で何が重視されたのか、またどのような葛藤や軋轢があったのかが浮かび上がってくる。博物館の展示を「つくる」主体としての女性に着目することで、「大戦と女性」をめぐる記憶や歴史が、複数のアクターの相互作用によって構築されたものであることが明らかになった。
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