研究課題/領域番号 |
19K01073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
澤田 典子 千葉大学, 教育学部, 教授 (50311650)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | マケドニア / 権力者崇拝 / 都市祭祀 / 王朝祭祀 / 自己神化 / フィリポス2世 / アレクサンドロス / ギリシア世界 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、支配者の権力の神聖化という世界史上普遍的な文化現象を、古典期のマケドニア史の文脈において、フィリポス2世の「神格化」に焦点を当てて検討する。フィリポス2世の「神格化」をアレクサンドロスの「神格化」の「前例」としてのみとらえる見方から離れ、マケドニア史の「連続性」という観点から、フィリポス2世のギリシア征服の過程における彼の「神格化」の意義を解明するとともに、ギリシア世界の権力者崇拝(ruler cult)の文脈にフィリポス2世を位置づけることをめざす。さらに、権力者崇拝という文化現象の発展過程におけるフィリポス2世とアレクサンドロスのそれぞれの歴史的意義について考察する。
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研究成果の概要 |
本研究では、マケドニア王フィリポス2世の「神格化」に焦点を当て、彼をギリシア世界の権力者崇拝の文脈に位置づけることを試みた。フィリッポス2世は晩年にいくつかのギリシア諸都市から宗教性を帯びた大きな栄誉を受けたのみならず、その最晩年には、自身と家族を神々と肩を並べる存在として宗教的なコンテクストに位置づけ、ヘレニズム時代の王朝祭祀へと発展していく方向性を示したことを検証し、ギリシア世界の権力者崇拝の発展における彼の歴史的意義を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヘレニズム時代の君主礼拝やローマ皇帝礼拝の起源とされるアレクサンドロスの神格化は、人間を礼拝や祭祀の対象とする権力者崇拝という慣行の研究においてとりわけ関心を集めてきたが、彼以前の時代における権力者崇拝はいまだ十分に研究されていない。古典期のマケドニア史の文脈においてフィリポス2世の「神格化」を検討する本研究は、そうした研究の空白を埋めるものであり、また、支配者の権力の神聖化という普遍的なテーマの探究により、他の時代や地域をも視野に入れた学際的な研究の可能性を提示している。
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