研究課題/領域番号 |
19K01074
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小澤 弘明 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 教授 (20211823)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 新自由主義 / 社会国家 / 亡命 / 戦後構想 / オーストリア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1920年代から1940年代のオーストリア亡命者たちの戦後構想と、新自由主義の主唱者と目されるハイエク、ミーゼス、ポパーらの思想の形成過程を、両者の共通項であるオーストリア・マルクス主義との対抗関係の下に把握する。それによって、社会民主主義と新自由主義の継承関係を明らかにし、新自由主義の起源についての議論に貢献することを目的とする。 研究方法は主として文書館史料の並行分析という手法を利用し、社会国家の形成に関する社会的自由主義の思想・運動が、国家を通じた市場化を志向する新自由主義の思想・運動の両者が相補的であることを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究によって以下の4点が明らかになった。(1)亡命社会民主主義者の戦後社会構想は、スウェーデン、イギリス、アメリカなど亡命先の政治状況に規定されていた。(2) 初期新自由主義と亡命社会民主主義者の戦後構造との間には、1920年代から続く歴史的な関係があった。(3)亡命社会民主主義者の戦後構想は、オーストリア・マルクス主義の否定という形で、戦後オーストリア国家に継承された。(4)1980年代からの新自由主義国家の形成にあたって、オーストリアにおいても、社会民主主義は「第三の道新自由主義」の担い手となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、オーストリア現代史研究において空白となっていた亡命社会民主主義者の戦後社会構想を亡命地別に検討することによって、その全体像を明らかにした。また、オーストリア学派を中心とする初期新自由主義との相互関係を分析することによって、初期新自由主義の理解を深めた。また、「新自由主義の世界史」を記述する上で重要な論点を複数提示することができた。これを通じて、新自由主義の思想・運動・体制という歴史的局面と新自由主義の地理的・空間的広がりの双方を把握し、現代史・同時代史把握の基盤を提供するという社会的意義を有する。
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