研究課題/領域番号 |
19K01078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
渡邊 昭子 大阪教育大学, 教育学部, 研究員 (20293144)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 改宗 / 宗教 / 教会 / ハンガリー史 / 結婚 / カトリック / キリスト教 / 離婚 / 世界史 / 再改宗 / ローマ・カトリック / 近世 / 嘆願 / プロテスタント / ハンガリー / 社会史 |
研究開始時の研究の概要 |
ハンガリーのカトリックならびにプロテスタント諸教会の文書館史料を調査し、改宗の個別事例を抽出する。そこから、改宗者の社会層やジェンダー、改宗のプッシュ要因とプル要因などに注目して、改宗の要因と背景を分類整理する。社会や政治や制度の変化との関連を考察し、近代社会における宗教の意味と役割を、長期的かつミクロな視点から検討する。
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研究実績の概要 |
今年度は、世紀転換期から戦間期にかけての時代を対象として、改宗の制度と全国的傾向についての既存の研究を調査し、かつ、エゲルのローマ・カトリック教会文書館の改宗関連文書の読解による事例研究を進めた。1896年以降は改宗者についての全国的統計が示されるようになった。統計から顕著なのは、1930年代まで、ローマ・カトリックでは流入者の方が多く、ユダヤ教徒では流出者の方が多いという状況がほぼ連続していたことである。世紀転換期のユダヤ教からの改宗についてはコンラード・ミクローシュが詳細に分析し、信仰心よりもハンガリー社会への同化という面が強かったと論じている。 コンラードが分析したユダヤ教からの改宗は、地理的な宗派分布に比例するかたちで、首都ブダペシュトの事例が多くを占めた。一方、エゲル大司教座では、プロテスタントとの間での改宗の事例が多い。そして、全国的な潮流と同様に、戦間期にカトリックへの改宗者数が増加していく傾向が見られた。文書の数が多く全記録を調査することはできなかったが、カトリックへの改宗の契機が明記されている中では、結婚、家族内での一致、死を前にした場合などが比較的多く見られる。カトリック教会は信徒にユダヤ教徒との結婚を認めなかったことから、両者が教会婚を結ぶ場合、ユダヤ教徒の側が改宗するしかなかった。また、他のキリスト教宗派との結婚の場合、カトリック教会は、子どもをカトリックとすることを約束しなければ祝福を与えなかった。このため、結婚の際に改宗しなかったとしても、配偶者のいずれか1人だけが家族内で宗教が異なることになり、あとで改宗する事例も見られた。家族内でのマジョリティへの同化である。改宗文書には1860年代から1918年までの会計の記録も含まれていた。少なくともこの時期には改宗者用の基金があり、支援を求める改宗者に金銭的援助をおこなっていたことも明らかになった。
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