研究課題/領域番号 |
19K01080
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中川 順子 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (00324731)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 帰化法 / ユダヤ人 / ドイツ系移民 / 近世ロンドン / 帰化 / 近世イングランド / ユダヤ系移民 / 宗教難民 / 移民共同体による支援 / 移民の社会統合 / 18世紀イギリス / 移民共同体 / 近世イギリス / 移民問題 / ユダヤ移民 / 移民 / 18世紀イギリス |
研究開始時の研究の概要 |
EU離脱をめぐる国民投票で争点となった「移民問題」、長期的(歴史的)観点に基づく移民研究の必要性を学術的背景とする本研究の基底にある問いであり、研究の最終目的は、近現代イギリスの移民問題の歴史的背景としての18世紀の移民問題とその影響の解明である。そのために、本研究は以下の2点を目的としている。①18世紀イギリスにおける帰化制度の運用実態解明とその歴史的意義づけ、②帰化制度を通じて照射される当該社会における他者受容(排除)の論理の解明である。
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研究実績の概要 |
本年度はこれまで継続して行っている近世ロンドンの宗教難民の救貧事業に関する史料分析を進めた。難民救済については、ホスト社会の支援が重要であると同時に、移民共同体による支援も重要であることを明らかにした。それと平行して近世ロンドンにおけるユダヤ人やドイツ系移民に関する基本文献や史料の収集と精読、分析を行った。ユダヤ人については、クロムウェルによる再入国許可以前より、ロンドンにユダヤ人の共同体が存在し、ロンドンのユダヤ人がユダヤ人ディアスポラネットワークの一角を占めつつ、貿易活動を展開していたことを明らかにした。彼らの貿易活動は、イギリスの砂糖貿易や地中海貿易において重量であることも明らかになった。ユグノーの救貧活動と同様のことは、ユダヤ人の救貧活動にも当てはまると言える。近世ユダヤ人の救貧活動を明らかにすることで、19世紀とは異なる移民受容の在り方も示唆できる。ユダヤ人については、本課題の研究を進める中で、ユダヤ人移民内部での研究が主たるものであることも明らかになったため、ホスト社会との相互作用がユダヤ人共同体、ホスト社会の双方に与える影響について検討することが、またその一つの視点として帰化法の議論に着目することが重要であるとの課題も得られた。したがって、ユダヤ人に対する一般帰化法成立をめぐる問題についても史料や文献の収集と分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大の影響とその後の業務多忙により海外での史料収集が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
ドイツ系移民は今後の継続課題とし、まずは近世ユダヤ人とユダヤ人に対する帰化法の問題に焦点を絞り、海外での調査を実施し、研究を進めたい。
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