• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

1950/60年代のドイツ連邦共和国におけるホロコースト裁判の事例研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01088
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
研究機関学習院女子大学

研究代表者

武井 彩佳  学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (40409579)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワードホロコースト / 裁判 / ナチ犯罪 / ユダヤ人 / 絶滅収容所 / ラインハルト作戦 / ベウジェツ裁判 / ナチ犯罪者 / 西洋史 / 戦後ドイツ / 司法訴追 / ドイツ連邦共和国 / 戦後ドイツ司法 / ナチズム / 連邦共和国
研究開始時の研究の概要

本研究は、ホロコーストの実行犯に対する1950~1960年代のドイツ連邦共和国の裁判例を分析することで、「過去の克服」における司法の役割を歴史学的観点から再検証する。判例が積み上げられる中で、犯罪者やその犯罪の性格に関してどのような解釈が主流化したのか。一般的に緩慢であったとされる連邦共和国初期の司法訴追における問題点を浮き上がらせることで、ドイツが現在に至るまで訴追を継続する体制を作らざるを得なくなった背景を明らかにする。

研究成果の概要

本研究では、なぜドイツでは現在もナチ犯罪者の訴追が続くのかという問いに発して、1950~60年代のドイツ連邦共和国におけるナチ犯罪の司法訴追の実態を明らかにした。具体的には、「ラインハルト作戦」の絶滅収容所で行われた大量殺人の関係者に対して、主に1950~60年代になされた裁判が、①何を裁き、②何を裁き得なかったのか、③裁き得なかった理由は何であったのかを分析した。これにより、ホロコースト犯罪を刑法の謀殺罪で裁くことの限界、個別の殺人を立証する十分な証拠の欠落、さらに「上官命令の緊急避難」の抗弁を覆すことの困難さ等、法的にテクニカルな問題が無罪判決を導いたことが明らかになった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

学術的な成果:日本ではほとんど知られていない、「ラインハルト作戦」関連の一連の裁判を分類し、相互に関係する裁判の流れを明らかにした点である。これら裁判群を整理し、その中でベウジェツ裁判の実態を示したことで、ホロコースト犯罪者の司法訴追の実証的研究に先鞭をつけた。
社会的な意義:ドイツではなぜ先の戦争における罪がいまだに問われるのかという問いに対して、これが必然的に現代まで持ち越される歴史的な経緯を法解釈と共に明らかにした。「過去の克服を徹底するドイツはすごい」といった単純な理解に対し、戦後ドイツ司法の具体的な歩みを示すことで、複眼的に評価することを可能とした。

報告書

(6件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2022 2021 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件) 図書 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ベウジェツ裁判の中の「普通の人びと」あるいは「普通のナチ」2024

    • 著者名/発表者名
      武井彩佳
    • 雑誌名

      ドイツ研究

      巻: 58 号: 0 ページ: 65-76

    • DOI

      10.57301/deutschstudien.58.0_65

    • ISSN
      1344-1035, 2436-8792
    • 年月日
      2024-04-30
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] コメント「歴史の利用/再利用とホロコーストの記憶」2022

    • 著者名/発表者名
      武井彩佳
    • 学会等名
      東欧史研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 歴史修正主義とは何か2022

    • 著者名/発表者名
      武井彩佳
    • 学会等名
      シノドス トークラウンジ
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ホロコースト否定論-欧米社会はどのように向き合ったか2022

    • 著者名/発表者名
      武井彩佳
    • 学会等名
      ホロコースト教育資料センター
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ホロコースト後のドイツのユダヤ人-新しい移民社会の誕生2022

    • 著者名/発表者名
      武井彩佳
    • 学会等名
      大東文化大学語学教育研究所
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 歴史と法ー歴史修正主義的な言説といかに向き合うか2021

    • 著者名/発表者名
      武井彩佳
    • 学会等名
      早稲田大学ナショナリズム/エスニシティ研究所WINE
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 抵抗はどこまで可能だったのか2021

    • 著者名/発表者名
      武井彩佳
    • 学会等名
      南山大学ヨーロッパ研究センター
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] The Holocaust in the Documentary Films: Between Memory and Reconciliation2021

    • 著者名/発表者名
      武井彩佳
    • 学会等名
      早稲田大学国際和解学研究所
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ホロコースト・ドキュメンタリーの変遷:和解と記憶2019

    • 著者名/発表者名
      武井彩佳
    • 学会等名
      和解学の創生プロジェクト
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 歴史修正主義ーヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで2021

    • 著者名/発表者名
      武井彩佳
    • 総ページ数
      250
    • 出版者
      中央公論新社
    • ISBN
      4121026640
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 歴史修正主義2021

    • 著者名/発表者名
      武井彩佳
    • 出版者
      中央公論新社
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 和解学叢書2020

    • 著者名/発表者名
      浅野豊美他編著
    • 出版者
      未定
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [備考] 歴史修正主義とウクライナ戦争

    • URL

      https://synodos.jp/library/28117/

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2019-04-18   更新日: 2025-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi