研究課題/領域番号 |
19K01088
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 学習院女子大学 |
研究代表者 |
武井 彩佳 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (40409579)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 西洋史 / 戦後ドイツ / ホロコースト / 裁判 / 司法訴追 / ドイツ連邦共和国 / 戦後ドイツ司法 / ナチ犯罪 / ナチズム / 連邦共和国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ホロコーストの実行犯に対する1950~1960年代のドイツ連邦共和国の裁判例を分析することで、「過去の克服」における司法の役割を歴史学的観点から再検証する。判例が積み上げられる中で、犯罪者やその犯罪の性格に関してどのような解釈が主流化したのか。一般的に緩慢であったとされる連邦共和国初期の司法訴追における問題点を浮き上がらせることで、ドイツが現在に至るまで訴追を継続する体制を作らざるを得なくなった背景を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度9月より渡欧したことで、本助成研究において最も必要とされていた、ドイツの文書館での史料収集を開始することができた.ミュンヘンの現代史研究所文書館、ルートヴィヒスブルクの連邦文書館分館を中心に数度の史料収集を行い、ホロコースト犯罪者に関して戦後ドイツ国内でなされた検察調書や裁判文書を入手することができた。これらの史料の読み込みと分析を進め、それもとに現在、国内の学術誌に投稿予定の論文を執筆中である。 同時に、ホロコースト/ジェノサイドに関する国際会議に複数参加した。まずはミュンヘンの現代史研究所によるジェノサイドと子供をテーマとした国際会議、次にカナダ、オタワにおいて2年に一度開かれるホロコースト研究者の国際会議「Lessons and Legacies」に出席した。さらにワルシャワでユダヤ博物館Polinが主催するラインハルト作戦に関する会議にも参加した。ワルシャワの会議は、本助成研究のテーマとほぼ内容の合致する内容であり、非常に得るものが多かった。 欧州滞在においては、フランスを拠点としてドイツへの短期の史料収集や国際会議参加を繰り返したため、フランスで関連史料も見つけることができたのは意図しない成果であった。主に、パリのショア・メモリアル内のユダヤ現代資料センターにおいて史料収集を行い、自身の研究テーマに関連する英独語以外のアプローチに触れることができた点は、研究に大きな広がりを与えると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度に最初の研究延長を行い、渡欧して史料収集が開始できるできる状況を模索してきた。コロナが落ち着いてきた2022年9月よりフランスをベースに移動し、これが可能となったものの、その後自身がコロナに罹患し、かなり体調が優れない状況が長期間続いた。このため、ドイツへの史料収集を予定していたほどは実施することができなかった。それゆえに進捗に遅れが生じているのは事実だが、史料収集の際には最短の時間で最大限の成果を上げられるよう努力した。文書館のスタッフも様々な便宜をはかってくれたこともあり、本来の目的の達成に大きな支障が出ているとはいえない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、ドイツでの史料収集を2回ほど行い、その後は史料の整理、論文の執筆、著作の執筆へと移行する。論文はすでに執筆中であり、著書に関しては今後どのような形で出版するか、細部を編集者と詰めてゆく予定である。
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