研究課題/領域番号 |
19K01090
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
|
研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
塚本 栄美子 佛教大学, 歴史学部, 准教授 (90283704)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 近世ベルリン / ユグノー / 多様性 / ドイツ近世史 / ベルリン / 近世国家形成 / 政治的コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究は、宗教改革後、宗派化のプロセスにおいて大量に発生した宗教難民に着目し、彼らが近世国家のあり方にどのような影響を与えたのか、を考察する。というのも、地元住民との間で軋轢や問題が生じると、当事者同士で解決するのではなく、両者とも領邦君主に訴えたからである。具体的には、17世紀末から18世紀にかけてのベルリンおよびブランデンブルク=プロイセンについて、文書館史料を分析し、課題に取り組む。
|
研究実績の概要 |
本年度前半は、近年絶対主義・絶対王政なる概念の再考がなされているのをうけて、多数の移民を受け入れたブランデンブルク選帝侯フリードリヒ・ヴィルヘルムおよびその後継者フリードリヒ3世の治世についての評価を再検討しつつ、史料調査再開の準備を行った。そして後半に、新型コロナ感染症流行などのため本研究課題に対する助成金交付決定後これまで果たすことのできなかった、ベルリンのプロイセン枢密国立文書館での史料調査を行った。 その結果、18世紀初頭のベルリンにおけるフランス系改革派教区から選帝侯に対して出された嘆願書の調査を終えることができた。もちろんいまだ短いスパンの史料調査しか終えることができていないが、すでに17世紀末の同種の史料で確認できていた傾向と同様の傾向を見て取ることができた。 確かに嘆願書そのものの件数は年を追うごとに減少していくが、それは必ずしも選帝侯への依存度の低下や、ドイツ系地元臣民との共生の進展を示すものではない。いくつかの案件については長期にわたり教区内のフランス系改革派信仰難民同士のトラブルについても、その解決のために選帝侯の仲裁や裁定を求めており、選帝侯への依存が高まっている点も見受けられる。それゆえ、今後は、このように新規の史料調査によって得られた新たな事例を、昨年度までの研究で整理した近世ドイツ領邦国家における絶対主義概念を見直す研究動向にいかに位置づけるべきか、慎重に考察していきたい。 加えて、収集できた史料の対象期間は当初予定していたものよりも短いため、次年度においても同様の史料調査を重ねていきたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度まで新型コロナ感染症の拡大により史料調査が思うようにできなかったため。しかしながら、本年度より史料調査の再開がかなったので、研究をより進展させていきたい。
|
今後の研究の推進方策 |
授業のない夏期を中心に渡独し、プロイセン枢密国立文書館での史料調査を引き続き行う。
|