研究課題/領域番号 |
19K01093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松田 陽 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00771867)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | パブリックアーケオロジー / 文化遺産研究 / 考古学 / 文化資源学 / 発掘調査 / 地域社会のアイデンティティ / ソンマ・ヴェスヴィアーナ / 「アウグストゥスの別 荘」遺跡 / 「アウグストゥスの別荘」遺跡 / 地域アイデンティティ / 遺跡 / 文化遺産 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、考古発掘調査が地域社会のアイデンティティ形成にどのような変化を及ぼすのかを検証するための方法論を構築することを目指す。考古学や考古遺跡が地域アイデンティティにとって重要であるという言説は広く流布しているが、その重要性を具体的に説明・検証した研究は存在しない。本研究では、東京大学を中心とした調査団が2002年から実施するイタリアのソンマ・ヴェスヴィアーナの町にある通称「アウグストゥスの別荘」遺跡の発掘調査に即して社会科学的なデータ収集と分析を行うことによって、発掘調査が地元社会のアイデンティティ形成にどのような影響を与えるかを具体的かつ実証的に検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、イタリアのソンマ・ヴェスヴィアーナにある通称「アウグストゥスの別荘」遺跡の発掘調査を事例とし、考古学が地域アイデンティティに及ぼす変化を検証する方法論の確立を目指した。当初は現地フィールドワークを通しての実証的研究を予定していたが、コロナ禍で現地調査が不可能になったため、過去に取得したデータから知見をまとめ上げることを最終目的に据え直した。このデータ分析によって、発掘調査が地域アイデンティティに与える影響を検証する手法をある程度一般化できたため、論文等を通して成果を公刊した。また、過去の調査記録と1930年代の発掘に関する文書記録をデジタルアーカイブとして整理した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
考古学や考古遺跡が現代社会においていかなる価値を生み出すのかに関するパブリックアーケオロジーの議論では、歴史理解を深めることや関連産業を振興することと並んで、地域アイデンティティを醸成することの重要性がしばしば指摘されるが、後者についてはいまだ明確な見解が示されていない。この主原因は地域アイデンティティという実態が掴みづらい対象を把握する方法が十分に開発されていないことにあると思われ、本研究はこの状況打破を目指して一定の成果をもたらした。考古学の成果を現代社会に接続させる方策の一つを示したとも言える。
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