研究課題/領域番号 |
19K01095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 照彦 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (10249906)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 流通・消費 / 須恵器 / 緑釉陶器 / 灰釉陶器 / 中国陶磁 / 篠窯跡群 / 奈良三彩 / 青磁・白磁 / 文献史学 / 古代・中世 / 緑釉・灰釉陶器 / 篠窯産・東播系須恵器 / 中国産青磁・白磁 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は日本の古代から中世への変容過程の解明を目指し、平安時代の考古学の側面から追究する。とりわけ物資流通の解明に重点目標を置き、考古資料として残りやすい国産の須恵器や施釉陶器、中国産の陶磁器といった焼物を中心としつつも、焼物以外の物資も視野に納めて基礎研究を深める。 その研究に当たり、品質差や地域差などを視野に入れた独自の視点をもとに、新たな年代基準による検討を加え、各種の理化学的分析手法も採用して、さらに異分野の研究者による共同研究を開催することによって、日本列島が中国を範とする律令国家体制から離れて民族文化を形成する転換点に関して、再評価を試みることにしたい。
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研究成果の概要 |
本研究は日本の古代から中世への変容過程の解明を目指し、平安時代の考古学の側面から検討を加えた。研究対象として、日本産の須恵器や施釉陶器、中国産の陶磁器といった焼物類を主に取り上げ、それらの流通状況を解明することに重点目標を置き、基礎的な研究を深めた。出土資料の集成作業と、新たな年代観や産地同定法に基づいた検討の結果、上掲の焼物類の流通の実相について新たな知見を得ることができた。とりわけ、平安期の須恵器として著名な丹波の篠窯で生産された鉢については、10世紀末から11世紀初め頃の資料が最も多く出土することを確認でき、当該期が中世の流通の展開に先駆けた様相を示すことを指摘できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中世以降に物資流通が大幅に拡大して、商業的展開への大きな転換点であることが指摘されているが、陶磁器類の場合の画期として11世紀後半での製品内容の変質や12世紀以降での大幅な流通量の増加が指摘されていた。ところが、篠窯産鉢などの検討から既に10世紀末から11世紀頃の摂関期に萌芽的な展開を示す点を解明できたことが学術的意義の1つといえる。ただ、摂関期そのままの形で継続せず、変質して中世に至る側面も重要であり、歴史的展開の実態がより明確となった。
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